2005 Fiscal Year Annual Research Report
操作性を重視した冷凍機方式生体磁気計測システムの開発
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15206048
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笹田 一郎 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (20117120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
円福 敬二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20150493)
田代 晋久 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (50325487)
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Keywords | パルス管冷凍機 / 円筒型磁気シールド / 磁気センサ / バルブモータ分離型パルス管 / 磁気シェイキング |
Research Abstract |
1.DROS型のdc-SQUIDを冷凍機で冷却するための準備を行った。コンプレッサ、バルブモータ、冷凍機はヘリウムガスを送る導電性を持つフレキホースでつながれているため、ここからノイズが流入し、SQUIDを動作できないことを確認した。バルブモータと冷凍機間に作製した絶縁継ぎ手を入れることで、この導電経路を遮断することに成功した。 フレキホース延長により冷却能力は低下したが、センサホルダ、サーマルシールドの改良とガス圧の微調整でSQUIDを動作させることに必要な5Kの温度を達成した。 2.炭素繊維とハイブリット化した低ノイズ・高剛性円筒磁気シールド内で冷凍機を用いたDROS型dc-SQUIDグラジオメータの動作を初めて確認した。金網および電磁不織布を使用した電磁シールドおよび静電シールド内に本システムを入れ、DROS型dc-SQUIDで正常な50mV程度の変調深さを持つ変調信号を観測することに成功した。FLL動作も可能であったが、冷凍機のガス圧周期に依存した1.8Hzのノイズがセンサの持つアンプが飽和する20nTp-p以上観測され、磁気シールド内部の残留磁界を低下させても変化が見られなかった。 3.センサ近傍にあるパルス管に鉛シートを用いた超伝導シールドを設置することで、冷凍機のガス圧周期に依存した1.8Hzノイズを5nTp-p程度まで低減することに成功した。この結果は、パルス管に磁気ノイズ源が存在することを示唆し、パルス管内部の磁気相転移を利用した蓄冷材(Er3Ni)あるいはパルス管を構成するステンレス(SUS304)の応力歪によるマルテンサイト変態による強磁性変化の可能性が考えられる。ノイズ源同定を行うとともに、これらノイズをさらに低減する手法を次年度検討する。
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Research Products
(3 results)