2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境シミュレーションに基づくコンクリート構造物の高機能補修システムの開発
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15206051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
魚本 健人 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80114396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 利治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90251339)
武若 耕司 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (10155054)
古関 潤一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (30272511)
加藤 佳孝 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (80272516)
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90241570)
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Keywords | 維持管理 / 非破壊検査 / 環境条件 / 劣化診断 / モニタリング / 補修・補強 |
Research Abstract |
本研究では,特に,構造物の劣化および再劣化に多大な影響を及ぼす環境作用を定量的に評価することで境界条件を明確とし,この結果に基づいたコンクリート構造物の補修システムを開発することを目的としている。さらに,再劣化のメカニズムを明らかとすることにより,構造物の部材,部位に応じた補修工法,補修範囲の選定が適切に実施することが可能となる高機能なシステムを開発する。 (1)環境条件のモデル化 環境条件のシミュレーションとして,都市キャノピーモデルを組み込んだメソスケールモデルによる関東地方の都市気候解析を実施し,その妥当性の検証を行った。さらに,コンクリート表面の科学的性状をモニタリング可能な手法の開発を進めている。次世代型非接触・非破壊検査手法の開発を目的として,近赤外分光法によるコンクリート構造物の検査手法を開発した。 (2)物質移動のモデル化 ひび割れを有するコンクリート構造物の塩化物イオンの移動現象のモデル化を実施し,実験結果との比較により妥当性を検証した。 (3)構造物の劣化度の定量的評価 コンクリート構造物の劣化診断プログラムの開発をした。目視点検の入力データから,構造物の劣化原因,劣化程度の推定,第三者影響度の評価,詳細点検方法の提案を専門家の代わりにシステムが行い,診断結果は画面上に表示されるだけではなく,デジタル文書として出力することも可能である。 (4)補修システム 断面修復は,劣化部分のコンクリートを削除して,特殊材料で修復する最もポピュラーな工法である.近年,施工性の良さから吹付け施工が注目されている.吹付け施工による断面修復工法に関する実験を行った.
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Research Products
(13 results)
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[Publications] 金田尚志, 魚本健人: "コンクリート構造物の劣化診断プログラムの開発"生産研究. 第55巻4号. 389-392 (2003)
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[Publications] 槙島修, 魚本健人: "吹付け施工による断面修復材の耐久性に関する研究"コンクリート工学年次論文集. 第25巻1号. 1529-1534 (2003)
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[Publications] 星野富夫, 大城武, 山田義智: "エポキシ樹脂塗装鉄筋を用いたコンクリートの防食効果に関する研究-気象環境が異なる沖縄ならびに伊豆大島での暴露実験結果-"第58回年次学術講演会講演概要集. V-022. 43-44 (2003)
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[Publications] 槙島修, 魚本健人: "吹付け施工した断面修復材の品質変動に関する研究"第58回年次学術講演会講演概要集. V-125. 250-251 (2003)
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[Publications] 金田尚志, 魚本健人: "マルチスペクトル法を用いたコンクリート表面の塩化物量の推定"第58回年次学術講演会講演概要集. V-419. 837-838 (2003)
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[Publications] Hisashi KANADA, Taketo UOMOTO: "APPLICATION OF MULTI-SPECTRAL METHOD FOR INSPECTION OF CONCRETE STRUCTURES"The ninth east Asia-Pacific conference on structural engineering. (CD-ROM). 425 (2003)
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[Publications] 樫村能成, 岸 利治, 上田 洋, 魚本健人: "円形プレキャスト製品における軸方向微細細ひび割れの発生要因に関する検討"土木学会第58回年次学術講演会第V部門講演概要集. 283-284 (2003)
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[Publications] Md.Abu Zakir MORSHED, Yoshimasa KASHIMURA, Toshiharu KISHI: "Freeze-Thaw Durability of Concrete Containg Recycled Fine Aggregate"Proc.of the 58^<th> Annual Conference of the Japan Society of Civil Engineering. 403-404 (2003)
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[Publications] 古関潤一, Salas Monge, R., 佐藤剛司: "繰返し載荷がセメント改良砂の強度変形特性に及ぼす影響"生産研究. 55巻6号. 75-78 (2003)
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[Publications] 原山和也, 大岡龍三, 村上周三, 吉田伸治, 瀬戸島政博, 近藤裕昭: "都市キャノピーモデルを組み込んだメソスケールモデルによる関東地方の都市気候解析"生産研究. 56巻1号. 17-21 (2004)
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[Publications] 塚原絵万, 加藤佳孝, 魚本健人: "ひび割れを有するコンクリート中の塩化物イオン移動評価手法の提案"土木学会論文集. No.732/V-59. 109-120 (2003)
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[Publications] Yoshitaka Kato, Atsushi Onezawa: "Proposal for Prediction of Water-Cement Ratio of Hardened Concrete By Using Infrared Thermograph"The ninth east Asia-Pacific conference on structural engineering. CMT. 130-135 (2003)
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[Publications] 魚本健人監修, 加藤佳孝, 非破壊検査研究会編著: "コンクリート構造物の検査・診断"理工図書株式会社. 237 (2003)