2004 Fiscal Year Annual Research Report
STP解析法を用いたワイドギャップ化合物半導体用のオーム性電極材料の開発
Project/Area Number |
15206069
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 正紀 京都大学, 工学研究科, 教授 (70229970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 明 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (80143543)
黒川 修 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (90303859)
伊藤 和博 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60303856)
着本 享 京都大学, 工学研究科, 助手 (50346087)
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Keywords | ワイドギャップ半導体 / オーム性電極材料 / 金属 / 半導体界面 / STP解析法 / 炭化シリコン |
Research Abstract |
炭化シリコン(SiC)および窒化ガリウム(GaN)は、現行のSiやGaAsにかわる高周波・パワーデバイス用半導体として期待され、デバイス用高性能オーム性電極材料開発が急務である。STP解析法は金属/半導体界面における電流経路を測定する手法であり、オーム性電極材料の開発を容易にさせる技術と言える。本年度は、平成15年度の電極開発に引き続き、(1)電極/SiC半導体界面における反応生成物の制御とその物性・構造評価および、(2)STP解析に向けた予備測定を目標に研究を行った。 本研究ではp型およびn型半導体基板としてそれぞれAlおよびNをドープしたSiCエピウェハを用いた。電極作製用多機能ユニットを搭載したスパッタ装置(購入設備)および真空蒸着装置を用いて電極用Ti/Al基多層膜を作製した。成膜後、超高真空熱処理により電極を作製し、電気特性(電流-電圧特性、接触抵抗)評価およびSEM、TEM、XRD、STMを用いて微細構造解析を行った。まず、p型Ti/Al電極/SiC界面における電流(ホール)は、反応生成したTi_3SiC_2層を介して輸送されていた。STM解析や電気抵抗の温度依存性等によりSiC基板上に形成したTi_3SiC_2薄膜は、予想されていた半導体中間層としての機能はなく、金属的な物性を示した。さらにTi_3SiC_2の仕事関数は5.0eV以下と大きな値を示さなかった。これらの結果はワイドギャップ半導体用p型電極に必要とされる物性と大きく異なり、オーム性電極に関する新たな形成機構構築の必要性が示唆され、STP解析法によるTi_3SiC_2/SiC界面の電流輸送機構の解明が必要とされた。更にNi/Ti/Al多層膜を用いてp/n型両伝導性SiCに対するオーム性電極も新規に開発されつつあり、STP法とプロセスの組み合わせにより更なる高性能(低接触抵抗)化が期待された。
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Research Products
(4 results)