2005 Fiscal Year Annual Research Report
STP解析法を用いたワイドギャップ化合物半導体用のオーム性電極材料の開発
Project/Area Number |
15206069
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村上 正紀 京都大学, 工学研究科, 教授 (70229970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 明 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (80143543)
黒川 修 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (90303859)
伊藤 和博 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60303856)
着本 享 京都大学, 工学研究科, 助手 (50346087)
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Keywords | ワイドギャップ半導体 / オーム性電極材料 / 金属 / 半導体界面 / 走査トンネル顕微鏡 / ポテンショメトリー |
Research Abstract |
炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などのワイドギャップ半導体は、次世代デバイスへの応用に向けて国内外で研究開発が精力的に遂行されている。デバイスにおける要素技術の一つであるオーム性電極形成は理論的に材料開発が困難とされており、高性能電極開発および材料設計指針は未だ確立されていない。本研究では、電極作製用スパッタ蒸着装置を用いてSiCおよびGaNに対して電極材料を作製した。まず、電気特性(接触抵抗率やホール効果)評価とともに透過電子顕微鏡(TEM)やX線回折(XRD)による微細構造解析を行い、電極部の物性評価や電極/伴導体界面における電流輸送(低抵抗界面形成)機構の解明を目指した。SiC用オーム性電極は界面反応により電極が形成されるため、電極特性は電極界面近傍の組成や微細構造が影響を及ぼした。一方でGaN用電極形成において、電極と接触するGaN半導体表面における格子欠陥(主に貫通転位)が電流輸送(低抵抗化)に大きく寄与した。ワイドギャップ半導体用電極材料の開発には、電極界面における化学反応や組織(構造、組成、欠陥など)の制御による電極特性向上が不可欠であることがわかった。 また、電極材料設計において最も重要である電極界面(近傍)の極微小領域における電気抵抗や電圧降下の定量測定のために、原子・ナノレベルの高い空間分解能を有する走査トンネル顕微鏡(STM)を用いた電極材料のポテンショメトリー(STP)解析を試みた。本研究ではSiC用電極への解析を視野に入れ、現在のデバイス用半導体の主流であるシリコン(Si)に対してSTP解析を行った。特に電極近傍における局所電位測定には、測定精度(信頼性)の観点から表面清浄性(平坦性)や電極組織の均一性の重要性を指摘し、STP解析用試料の作製指針が得られた。
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Research Products
(3 results)