2003 Fiscal Year Annual Research Report
高度衝突安全性実現に資する材料の高速変形挙動の包括的理解と同分野研究成果の集大成
Project/Area Number |
15206076
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
小林 俊郎 豊橋技術科学大学, 副学長 (90023324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 繁樹 豊橋技術科学大学, 工学部, 教務職員 (00314089)
戸田 裕之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (70293751)
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Keywords | ひずみゲージ / Al-Mg系合金 / Al-Mg-Si合金 / 衝撃引張試験 / 応力波 / 有限要素法解析 / ひずみ速度依存性 / 応力三軸度 |
Research Abstract |
構造部材に用いられている高張力鋼板について負荷速度、試験片形状および荷重検出用ひずみゲージ貼付位置を変化させて引張試験を行い、応力-ひずみ関係を記録した。衝撃荷重を記録するため、大面積部に貼付するひずみゲージの位置を標点間端部から7mm以上離れた位置とした時、最も正確な衝撃応力-ひずみ曲線が記録できた。さらにひずみゲージを試験機のロードセル側の表裏に2枚貼付することで、試験機から受ける応力波の影響を最も抑制することができ、滑らかな波形を得ることが可能となった。 2種類の加工硬化型のAl-Mg系合金について、10^<-4>〜10^4 s^<-1>までのひずみ速度範囲にわたって引張特性のひずみ速度依存性を評価した。その結果、Al-Mg系合金は、低ひずみ速度下で負のひずみ速度依存性、高ひずみ速度下で正のひずみ速度依存性を示すことが確認された。静的負荷下で発現したセレーションは、ひずみ速度の増加に伴い消失していく傾向が見られたが、これは、固溶Mgによる転位の固着形態が変化したことを意味している。また、固溶Mg原子による転位の固着とは無関係に、フォノンや電子と転位の相互作用によって強度が増加するひずみ速度領域を明らかにした。 時効硬化型のAl-Mg-Si合金である6061-T6アルミニウム合金を用い、動的変形挙動が及ぼす応力三軸度の影響について調べるため、衝撃引張試験および有限要素法解析を行った。試験片に円弧状切欠きを導入した場合、平滑試験片と比較して降伏応力が増加し、延性が低下した。また、円弧状切欠き試験片で発生した塑性拘束は、動的負荷条件下で緩和された。FEM解析を行った結果、動的負荷条件下において、切欠き底付近で応力波の反射が発生した。この応力波の反射は、試験片に垂直な軸応力を減少させた。この時の応力三軸度の減少が動的負荷条件下における塑性拘束の緩和の原因であることが示された。
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[Publications] 増田智一, 高田雅之, 戸田裕之, 小林俊郎, 王磊: "6061-T6アルミニウム合金の動的引張特性に及ぼす応力三軸度の影響"軽金属. (印刷中). (2004)
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[Publications] T.Kobayashi: "Strength and Fracture of Aluminium Alloys"Materials Science Forum. (印刷中). (2004)
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[Publications] T.Masuda, H.Toda, T.Kobayashi: "Notch effects on impact tensile properties in A6061-T6 aluminum alloy"Materials Science Forum. (印刷中). (2004)
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[Publications] S.Morita, T.Kobayashi: "Ductile-Brittle Transition Behaviours with Two Striker Geometries in the Instrumented Charpy Impact Test"Materials Science Forum. (印刷中). (2004)
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[Publications] 増田 智一, 小林 俊郎, 戸田 裕之, 王 磊: "5000系アルミニウム合金の動的変形挙動およびミクロ組織変化"材料. Vol.52, No.8. 981-987 (2003)
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[Publications] T.Masuda, T.Kobayashi, L.Wang, H.Toda: "Effects of strain rate on deformation behavior of A6061-T6 aluminum alloys"Materials Science Forum. 426-432. 285-290 (2003)
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[Publications] T.Kobayashi: "Strength and Toughness of Materials"Springer - Verlag. 275 (2004)