2004 Fiscal Year Annual Research Report
高度衝突安全性実現に資する材料の高速変形挙動の包括的理解と同分野研究成果の集大成
Project/Area Number |
15206076
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
小林 俊郎 豊橋技術科学大学, 副学長 (90023324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 裕之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (70293751)
森田 繁樹 豊橋技術科学大学, 工学部, 教務職員 (00314089)
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Keywords | 破壊靱性 / 衝撃破壊 / 金属材料 / 熱活性化過程 / Hopkinson棒法 / 材料試験方法 / IF鋼 / 6000系アルミニウム合金 |
Research Abstract |
輸送用機器の衝突安全性は、材料そのものに大きく依存する。近年、機器の軽量化のために、構成材料の高張力化が指向されている。しかしながら、材料の動的挙動には衝撃現象の本質が含まれており、その評価には、通常の材料試験とは異なる力学的な配慮、専門知識が強く要求される。現在公表されている高速負荷下での各種特性データは、どのデータがどの程度の確度を持つのかが全く明らかではない。不確かなデータに基づいた輸送用機器の強度・構造解析は、全く信頼性に乏しい。本研究では、主として材料の一軸引張り強度試験、破壊靱性試験を対象に、その高速負荷下での荷重および歪の計測方法について検討した。特に、『誰でも』、『どのメーカーの試験機を用いても』、『どの材料でも』、そして『広い温度範囲で』、『どの様にすれば精度よく』力学的性質が測定できるかを、『専門知識に乏しい試験機のオペレーターにも分かり易い形で』示した。具体的には、鉄鋼および非鉄金属の代表として、IF鋼および6000系アルミニウム合金をとり上げた。この2種類は、自動車という我が国で最も強く安全性を求められる機械構造物のボディーやバンパー等の素材として用いられるものである。これらを試験する場合の試験条件、精度における問題点を明らかにした。この結果を基に求めた低温から高温まで、そして静的から高速までの広い温度・速度範囲をカバーする上記材料の正確かつ妥当な衝撃特性のデータにより、従来から多数の議論がある衝撃荷重下の広い歪速度範囲における金属材料の塑性変形の構成方程式を検証し、物性値の歪速度依存性や歪速度履歴依存性を理論的に再整理・検討した。そして、輸送機器の衝突安全性や信頼性の確保といった実用面に貢献する試験方法や試験データを提供するだけではなく、材料の変形挙動の基礎的な理解という面で、20世紀におけるこれまでのこの研究分野の学術的総括を行った。
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Research Products
(7 results)