2005 Fiscal Year Annual Research Report
原料リサイクルCVD法による太陽電池用結晶シリコン薄膜の低コスト合成
Project/Area Number |
15206086
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 文雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10345093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野田 優 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50312997)
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Keywords | 太陽電池 / 単結晶シリコン薄膜 / CVD / エピタキシャル成長 / 原料リサイクル / クロロシラン / 急速蒸着法 / エピタキシャルリフトオフ |
Research Abstract |
本研究では、太陽電池用の単結晶シリコン薄膜の低コスト合成法の確立を目指している。当初は、単結晶シリコン基板を「コピー」する方法である、レイヤートランスファープロセスで鍵となるシリコンのエピタキシャル成長を、リサイクルCVD法で行うことを想定してきた。しかし、CVD法では成膜速度に限界があること、また装置腐食や不純物混入の問題対策が困難であることが分かってきた。一方で、単結晶シリコン薄膜合成では、高純度シリコン原料自体のコストは問題にならない。そこで、シリコンを高温で物理蒸着することで高速なエピタキシャル成長を行う、急速蒸着(RVD)法を提案、昨年度までに高速なエピタキシーの実証を行った。 本年度は、RVD装置の改良から着手した。シリコンの物理蒸着は半導体分野で盛んだが、低温・低速が研究の流れであり、RVD法で目標とする基板温度1200-1400℃での物理蒸着装置は存在しない。昨年度の実証実験は800-1000℃であり、本年度は1200℃以上の基板温度に対応するよう装置改良を行った。時間が掛かってしまったものの、改良を終え、RVD実験を進めている。一方、エピタキシャル成長したシリコン薄膜は、単結晶シリコン基板との間に挟む「犠牲層」を選択エッチングすることで分離する計画である。高濃度ドープシリコンは、HF/HNO_3/CH_3COOH混合溶液で選択エッチング出来る為、この方法でのリフトオフを進めてきた。しかし、反応時間が長くなると、エッチング選択比が低下してしまう問題が発生、ポーラスシリコン分野の知見も援用し、改良を進めている。今後の研究で、単結晶シリコン薄膜の低コスト合成法を確立したい。
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