2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15206089
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保井 亮一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40029567)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土戸 哲明 関西大学, 工学部, 教授 (50029295)
後藤 祐児 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (40153770)
馬越 大 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (20311772)
吉本 誠 山口大学, 工学部, 助教授 (80322246)
島内 寿徳 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10335383)
|
Keywords | メンブレン・ストレスバイオテクノロジー / 酸化ストレス / タンパク質 / ストレスセンサ / 構造異常疾患 / アミロイド / ゆらぎ / 局所的疎水性 |
Research Abstract |
本研究課題では,ストレス負荷条件でのタンパク質の構造異常ならびに細胞膜との動的相互作用を特徴付ける『局所的疎水性(LH)・ゆらぎ』に着目し,これらを体系手・定量的に解析・制御する手法の確立を目的としている.そのケーススタディーとして,アミロイド性タンパク質Amyloid-β(Aβ)を初めとする各種タンパク質の構造異常性を高速で解析・診断し,さらには構造異常疾患を治療するシステムを開発する事を目標とする.平成16年度は,タンパク質の構造異常性とアミロイド形成挙動との関連性について検討した. まず,種々のタンパク質の構造異常性に対するアルコール,脂肪酸ならびにそれらのクラスター構造の影響を検討した.リポソームの熱的・化学的・酸化的ストレス応答に関して検討し,適切なリガンドやタンパク質が共存すると,脂質膜における自立的・協同的な複合体形成・ドメイン形成,あるいは酵素活性の亢進が誘導され,スーパーオキシドジスムターゼ様活性やカタラーゼ様活性などの機能発現が可能であることを見出した.この知見に基づき,脂質膜・(モデル)生体膜のストレス応答ダイナミクス((脂質)膜界面ダイナミクス)に立脚したリポソーム材料調製・機能発現・ストレス有効利用型プロセスの設計を目指した新領域「メンブレン・ストレスバイオテクノロジー」を提案した.この観点に基づく構造異常診断ツールの開発に向けて,固定化リポソームクロマトグラフィー,誘電分散解析法,また,センサ素子としての蛍光物質封入リポソームを用いたタンパク質の構造異常性の診断を行ない,Aβなどの各種タンパク質の構造異常を評価することができた.さらに,ROS(活性酸素種)による脂質膜の酸化ストレス応答とAβのアミロイド形成挙動が密接に関与していることを指摘した.
|
Research Products
(12 results)