2003 Fiscal Year Annual Research Report
環境残留性有機臭素化合物の挙動予測を目的とした物理化学性状値の測定と評価
Project/Area Number |
15206099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 崇 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20112360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 克也 国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・室長(研究職) (50257325)
柴田 悦郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70312650)
葛西 栄輝 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (50134044)
倉持 秀敏 国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・研究員 (50353537)
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Keywords | 臭素系ダイオキシン類 / 臭素系難燃剤 / 蒸気圧 / 熱力学データ / 水溶解度 / オクタノール / 水分配係数 / クヌッセンセル / ジェネレータカラム |
Research Abstract |
本研究は、難燃剤を含有した廃プラスチックをサーマルリサイクルする際に、臭素系ダイオキシン類の生成・分解がどのように行われるのかを理論的に解明し、従来の活性炭吸着法や酸化触媒法が適用できるかどうかを明確にするために、蒸気圧の測定、熱力学データの計算および排ガス中の挙動シミュレーション、各種粉末への吸着特性の測定を行うものである。 本年度は、臭素系難燃剤物質であるポリブロモジフェニルエーテル類、ポリブロモベンゼン類、ポリブロモフェノール類およびテトラブロモビスフェノールAの蒸気圧をクヌッセンセル法にて測定した。蒸気圧の温度依存性より、各臭素系難燃剤物質の昇華エンタルピーを得た。また、密度汎関数法により、実測値のある炭化水素臭化物の熱力学データを計算し、計算データの信頼性を確認した。その後、臭素化ダイオキシン類および臭素化塩素化ダイオキシン類の、298Kから1500Kの比熱、298Kのエントロピーおよび標準生成エントロピーを計算し、データベース化した。また、ポリブロモフェノール類、ポリブロモベンゼン類およびテトラブロモビスフェノールAの水への溶解度およびオクタノール/水分配係数を測定した。水への溶解度の測定ではジェネレータカラム法またはフラスコ法を用い、分配係数の測定ではHPLC法を用いた。また、示差走査型熱量計を用いて、それらの物質の融点および融解エンタルピーを測定した。これらの熱物性と水への溶解度データから、水への溶解過程におけるエンタルピー解析を行うとともに、水中の活量係数を決定した。さらに、この活量係数と蒸気圧からヘンリー定数を導出した。一連の実測データから物性値に与える臭素数の効果や環境における分配性について考察を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Xian-Wei Li, Etsuro Shibata, Takashi Nakamura: "Theoretical Calculation of Thermodynamic Properties of Polybrominated Dibenzo-p-dioxins"Chemical Engineering Data. 48・3. 727-735 (2003)
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[Publications] Xian-Wei Li, Etsuro Shibata, Takashi Nakamura: "Thermodynamic Properties of Polybrominated Dibenzo-p-dioxins and Dibenzofurans Calculated by Density Functional Theory"Materials Transactions. 44・5. 1004-1013 (2003)
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[Publications] Xian-Wei Li, Etsuro Shibata, Takashi Nakamura: "Thermodynamic Properties of Polybrominated/Chlorinated Dibenzo-p-Dioxins Calculated by Density Functional Theory"Materials Transactions. 44・12. 2441-2445 (2003)
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[Publications] H.Kuramochi, K.Maeda, K.Kawamoto: "Water Solubility and Partitioning Behavior of Brominated Phenols"Environ.Toxicol.Chem.. 23・6(印刷中). (2004)
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[Publications] H.Kuramochi, K.Maeda, K.Kawamoto: "Measurements of Water Solubilities and 1-Octanol/Water Partition Coefficients, and Estimations of Henry's Law Constants for Brominated Benzenes"J.Chem.Eng.Data. (印刷中). (2004)