2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境残留性有機臭素化合物の挙動予測を目的とした物理化学性状値の測定と評価
Project/Area Number |
15206099
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 崇 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (20112360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 栄輝 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50134044)
柴田 悦郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70312650)
川本 克也 国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・室長 (50257325)
倉持 秀敏 国立環境研究所, 循環型社会形成推進, 廃棄物研究センター・研究員 (50353537)
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Keywords | 臭素系ダイオキシン類 / 臭素系難燃剤 / 蒸気圧 / 熱力学データ / 水溶解度 / オクタノール / 水分配係数 / クヌッセンセル / ジェネレータカラム |
Research Abstract |
本研究では、臭素系ダイオキシン類およびその類縁化合物の物理化学パラメータの測定を行い、環境中への臭素系ダイオキシンおよび類縁化合物の排出防止対策の科学的基盤とする。最終年度に当たる本年度は、前年度に引き続き、臭素系難燃剤ならびに臭素系ダイオキシン類縁化合物の融解エンタルピーおよび融点、水への溶解度、1-オクタノール/水分配係数およびヘンリー定数を測定し、これらの物理化学パラメータに関して、分子内の臭素数の効果、温度依存性、各物性値との関係を考察した。また、量子化学計算により、242種の臭素系難燃剤化合物異性体の熱力学データを計算した。さらに、廃棄物焼却排ガス中の臭素系ダイオキシン類の生成挙動に関して詳細に熱力学的検討を行った。 熱力学データに関しては、4,4'-DiBDE、DeBDE、2,4-DBPh、2,4,6-TBPh、PeBPh、1,2,4-TBBz、1,2,4,5-TBBz、HxBBz、TBBPAの融解エンタルピーおよび融点を測定し、さらに、11種PBBz、19種PBPhs、TBBPA、HBCDおよび209種PBDEsの標準生成エンタルピー、エントロピー、および298Kから1500Kの比熱を密汎関数法で計算した。また、多成分平衡熱力学計算により、燃焼排ガス中における臭素系ダイオキシン類の生成挙動に関して、温度、雰囲気ガスの影響を熱力学的に考察した。 HBCDおよびDecaBDEを中心に、水への溶解度と1-オクタノール/水分配係数の測定を行い、ヘンリー定数の導出を行った。また、初年度から蓄積した物理化学パラメータを用いて、UNIFACモデルを有機臭素化合物へ適用できるようにUNIFACパラメータを拡張した。さらに、UNIFACモデルで臭素系ダイオキシン類の物理化学パラメータを推算するとともに、運命予測モデルにて臭素系難燃剤類および臭素系ダイオキシン類の環境動態を評価した。
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Research Products
(1 results)