2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15206103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
松山 政夫 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 教授 (90135004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正憲 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助手 (00334714)
鳥養 祐二 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 講師 (80313592)
波多野 雄治 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助教授 (80218487)
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Keywords | トリチウム / 非破壊測定 / 崩壊熱 / 熱量計 / 基準測定システム / 核融合炉 |
Research Abstract |
大量トリチウムを燃料として使用する国際熱核融合実験炉及び将来の実用炉におけるトリチウムに対する安全性の確保は核融合炉の社会的受容性を得る上で必要不可欠な要素である。特に、トリチウムは室温で気体状の放射性同位元素であり、その安全閉じ込め及び炉内の各システムにおける量及び分布の定量的評価が基本的命題である。この様な評価に際して予測される根本的な問題は、環境レベルから100%までの14桁に亘る広範囲のリチウム濃度(分圧)測定における精度である。 トリチウム測定装置から得られた値を定量的に評価するためには、絶対測定が可能な基準システムによる校正が必要である。現状では液体シンチレーションカウンター校正用のトリチウム水が副標準として利用されているが、濃度が極めて低く、現在検討中のような高濃度トリチウム測定装置の基準とするには濃度差が大きすぎるために信頼性に欠ける。この様な観点より、本研究では、崩壊熱測定に基づくトリチウム絶対量評価のための基準システムの構築を目途とした。 本年度は、先ず、実際に所定量のトリチウムを測定したときに観測される最大熱量を理論計算に基づくβ線スペクトルのエネルギー分布から計算した。その結果、熱量としては37GBq(1Ci)当たり33.8μW放出されることが判明した。この計算結果に基づき、本研究を遂行するに当たり最も重要となる高感度且つ高精度の熱量計の設計・製作指針を作成し、測定下限として0.37GBq(0.01Ci)程度までのトリチウム量を測定できるような真空断熱式熱量測定システムの構築を目指した。製作したシステムの性能を確認するために所定量の基準熱量を導入したところ、約0.4μWを10%の測定精度以内で測定可能であることが判明し、当初の目標をほぼ達成できた。
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