2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵母ミトコンドリアのタンパク質フラックス制御の分子機構
Project/Area Number |
15207009
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
遠藤 斗志也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70152014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉久 徹 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教授 (60212312)
西川 周一 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10252222)
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Keywords | ミトコンドリア / 酵母 / トランスロケータ / 膜透過 / 受容体 / ミトコンドリア移行シグナル |
Research Abstract |
ミトコンドリアへのタンパク質移行は外膜と内膜の複数の膜透過装置(トランスロケータ)によって担われる。酵母ゲノム情報をフルに利用し,新規トランスロケータ構成因子Tim41を発見した。Tim41はミトコンドリア内膜マトリクス側の表在性膜タンパク質で,その遺伝子破壊株では,内膜のトランスロケータTIM23複合体を経由する内膜やマトリクスのタンパク質のミトコンドリア移行に欠損が生じる。これまで知られているマトリクスのトランスロケータ因子は,すべてTIM23複合体を経由するマトリクスへのタンパク質移行に関わるものであったが,Tim41は内膜を通過せず内膜に組み込まれるタンパク質に影響を与える点でユニークである。詳細にTim41の機能を解析した結果,Tim41は内膜のトランスロケータTIM23複合体の機能的アセンブリーを維持するのに必要であることが分かった。 ミトコンドリアのマトリクスへの効率的なタンパク質移行においては,外膜透過と内膜透過が共役することが重要である。この共役に関わる因子は内膜TIM23複合体の構成因子Tim50と考えられていたが,その具体的な機構は不明であった。今回Tim50とミトコンドリア移行シグナルに対応するペプチドの相互作用をNMRで解析したところ,Tim50はミトコンドリア移行シグナルを認識する受容体として働くことが明らかになった。Tim50とシグナルペプチドとの相互作用は外膜受容体Tim20とシグナルペプチドとの相互作用よりも強く,シグナルペプチドの外膜受容体から内膜受容体Tim50への効率的移行をよく説明する。長い間謎であった2つの膜透過の共役の仕組みが,初めて解明されたものと考えられる
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Research Products
(11 results)