2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15207011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 維昭 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90027334)
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Keywords | 蛋白質膜透過 / SecM / SecA / リボソーム / 翻訳制御 / タンパク質分泌 |
Research Abstract |
secM-secAオペロンの先頭の遺伝子産物であるSecMはそのC末端付近に特異な「アレスト配列」をもち、それが翻訳途上でトンネル構成成分と相互作用することにより自らの翻訳伸長を停止する。この現象をin vitro蛋白合成系で再現することに成功し、mRNA上で停止したリボソームの位置および伸長停止polypeptidyl-tRNAの最終残基を決定した。その結果、(i)リボソームはアレストに必須なPro166のコドンがAサイトに位置した状態で停止すること、(ii)Gly165とPro166間のペプチド結合は形成されていないこと、(iii)アレスト状態の翻訳複合体はピューロマイシンの作用を受けず、リボソームAサイトにはprolyo-tRNAが位置していることがわかった。secM mRNA上に遺伝情報として書き込まれているPro166コドンは、「ポリペプチドの一部としてのプロリンをコードしている」以外に、「リボソーム活性中心で、組み込まれることなく伸長抑制に寄与するProlyl-tRNAをコードしている」ことにその生物学的使命の重要な部分があることが明らかとなった。また、SecM翻訳複合体が膜にターゲットされる仕組みによって、同一mRNAの下流域でコードされるSecAが膜分泌装置の近傍で合成されることが保証され、新生SecAが直ちに働くことができるような構造をとりやすくなるとの全く新しいSecA機能の制御機構を発見した。
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Research Products
(3 results)