2003 Fiscal Year Annual Research Report
視蓋・小脳の領域化及び網膜視蓋投射機構のメカニズム
Project/Area Number |
15207016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仲村 春和 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90079690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 達也 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 日本学術振興会特別研究員
渡邉 裕二 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (80301042)
舟橋 淳一 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (00270827)
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Keywords | 視蓋 / オーガナイザー / Fgf8 / Ras-ERKシグナル経路 / Sprouty2 / siRNA / 遺伝子発現阻害 / エレクトロポレーション |
Research Abstract |
1.これまで、ニワトリ胚での遺伝子発現阻害実験は困難であったが、標的遺伝子とマッチする21ベースのヘアピン型RNA発現ベクターをエレクトロポレーションにより導入することによって可能となった。現在、この方法を用いて視蓋・小脳の領域形成のさらなる解析を行っている。 2.昨年までに、強いFgf8シグナルがRas-ERKシグナル経路を活性化することによって小脳分化の遺伝子郡がOnになるということを示した。Fgf8の発現と重複してRas-ERKシグナルを負に調節するSprouty2遺伝子が発現している。実際Sprouty2を強制発現するとERKの活性化(リン酸化)が抑えられ、ドミナントネガティブ型のSprouty2によりERKのリン酸化が促進される。Sprouty2は正常発生でもFgf8と重複して発現しているが、Fgf8bを強制発現すると3時間以内にその発現が誘導された。Sprouty2の強制発現により本来小脳が分化すべきところに視蓋が分化した。またドミナントネガティブ型Sprouty2の強制発現により、視蓋の後境界が前によった。Sprouty2あるいはドミナントネガティブ型Sprouty2の強制発現後のOtx2, Gbx2など中脳、後脳領域のマーカー遺伝子の発現もすべて形態変化を支持する発現変化を見せた。 これらの実験結果は、形体形成に過程でシグナルは適度に流れる必要があり、過度に流れても、少なくても異常を引き起こすことを示している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Katahira, T., Nakamura, H.: "Gene silencing in chick embryos with vector-based small interfering RNA system"Develop.Growth Differ.. 45・3. 361-367 (2003)
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[Publications] Watanabe, Y., Toyoda, R., Nakamura, H.: "Navigation of Trochlear axons along the midbrain-hindbrain boundary to neuropilin-2"Development. 131・3. 681-692 (2003)
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[Publications] Nakamura, H., Sugiyama, S.: "Polarity and laminar formation of the optic tectum in relation to retinal projection"J.Neurobiol.. 59・1. 48-56 (2004)
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[Publications] Kimura, J., Katahira, T., Araki, I., Nakamura, H.: "Possible role of Hes5 for the rostrocaudal polarity formation of the tectum"Dev.Growth Differ.. 46・3(in press). (2004)
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[Publications] Nakamura, H., Watanabe, Y.: "Isthmus organizer and regionalization of the mesencephalon and metencephalon"Int.J.Dev.Biol.. (in press).
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[Publications] Nakamura, H., Katahira, T., Watanabe, Y., Funahashi, J.: "Gain and loss of function in chick embroys by electroporation"Mech.Dev.. (in press).
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[Publications] 仲村春和(伊藤正男監修, 金澤一郎, 篠田義一, 広川信隆, 御子柴克彦, 宮下保司編): "脳神経科学"三輪書店. 841 (2003)