2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応能における生理的多型性と機能的潜在性の解析
Project/Area Number |
15207026
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Research Institution | Nagasaki Junior College |
Principal Investigator |
佐藤 方彦 長崎短期大学, 教授 (10038937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝浦 哲夫 千葉大学, 工学部, 教授 (00038986)
安河内 朗 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (20136568)
宮崎 良文 (独)森林総合研究所, 樹木化学領域・生理活性チーム, チーム長 (40126256)
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Keywords | 生理的多型性 / 機能的潜在性 |
Research Abstract |
光の照度,色温度を変えた光環境下で味刺激(甘,塩,酸,苦)に対する胃電図,脳波,心電図,主観評価などを日本人と中国人で比較検討した。日本人,中国人共に甘味刺激中は低色温度環境で胃電図の正常波比率(2〜4.5cpm/1〜10cpm)は高くなることが示された。光源色温度の正常は比率への影響に多型傾向が認められ、その傾向を日本人と中国人との間で比較すると、日本人被験者では甘味刺激中,低色温度の方が「快適感」「リラックス感」の向上と,「いらいら感」「疲労感」の軽減が認められた。この現象が生理的多型発現のメカニズムにもつ意味について検討を続行中である。姿勢変化に対応する心臓脈管系動態をstroke volume, cardiac output, heart rateを指標として算出すると個体差は著しく大きく、systolic blood pressureおよびdiastolic blood pressureの安定化メカニズムに多型性が認められる。この事実は機能的潜在性の多型性につながる可能性が高い。機能的潜在性としての心臓脈管系動態の直立耐性に関する生理的多型性を血圧調節反射との関連から調べるため、tilting bedを用い体位変換時の循環系諸測度を求めた。末梢血管抵抗の推定には、心拍出量と平均血圧のデータから算出し、圧受容体反射感受性の個人差は心拍と血圧の変動から推定を行った。多型性への季節効果に関する考察も加えて統合的に考察する予定である。機能的潜在性ならびに生理的多型性研究において、高次神経機能の絶対値計測は重要な知見をもたらす。近赤外分光法における時間分解計測法を使って、主として前頭前野の血液濃度の絶対値計測を実施した。従来の血液濃度の変化率を指標とする結果とは異なり、1)パーソナリティの違い(タイプAとタイプBならびに高不安と低不安)によって前頭前野の活動に有意差があること、ならびに2)森林部滞在(森林浴)において都市部(対照)に比べ、前頭前野の活動が有意に鎮静化することが明らかになった。機能的潜在性および生理的多型性の視点からこれらの結果を検討中である。
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