2006 Fiscal Year Annual Research Report
環境適応能における生理的多型性と機能的潜在性の解析
Project/Area Number |
15207026
|
Research Institution | Nagasaki Junior College |
Principal Investigator |
佐藤 方彦 長崎短期大学, 教授 (10038937)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝浦 哲夫 千葉大学, 工学部, 教授 (00038986)
安河内 朗 九州大学, 大学院, 教授 (20136568)
宮崎 良文 長崎短期大学, 森林総合研究所, チーム長 (40126256)
|
Keywords | 環境適応能 / 生理的多型性 / 機能的潜在性 |
Research Abstract |
環境適応の生理的多型を生じるメカニズムは多様であり、各生理機能間の協関の内容と共に、各機能の顕在化の程度が、複雑多様な生理的多型性を表出している。 味覚(甘味,塩味,酸味,苦味)閾値,唾液分泌量,味の主観評価は光の照度と色温度によって明らかに変化する。唾液分泌量は低照度(200 1x)条件で高照度(1500 1x)条件より有意に多く,甘味閾値は低照度,低色温度(3000 K)で有意に高くなる。この現象には個人の性格特性に関連する多型が存在し、A型行動パターン被験者の唾液分泌量は照度の影響が生じない。B型行動パターン被験者は低照度における唾液分泌増加が著しい。 牛乳カゼイン由来のペプチド(P)摂取1時間後の影響を等エネルギーのマルチトール(対照・C)と比較することによって評価し、時間分解分光法(TRS)により前頭前野左右5部位、計10部位の活動を絶対値計測した。TRSの多点前頭前野活動の絶対値計測においては、Pでは変化が認められなかったが、Cにおいては右前頭前野の2部位で摂取前に比べ、有意な活動の増加が観察された。一方、HRVは、P摂取により、副交感神経活動は昂進し、交感神経活動は抑制されることを示した。 心臓脈管系動態の直立耐性は潜在的キャパシティが大きく、運動負荷により容易に顕在化されるが、この現象に多型性が認められる。運動処方は60%最大酸素摂取量強度の自転車エルゴメータを30分・週3回・3ヶ月間であった。運動群において最大酸素摂取量の増加とともに体位変換時の一回拍出量の増大と心拍数の低下がみとめられたが、心拍出量に変化はみられなかった。また運動群では心拍出量の個人差が減少し一回拍出量の個人差が増大した。これらの変化は対照群ではみとめられなかった。直立耐性の多型は、運動処方により直立時の心拍出量の個人差は小さくなる一方でその調節過程における個人差の増大をもたらす。
|