Research Abstract |
ミトコンドリア分裂因子 前年度までに同定したミトコンドリアの分裂因子DRP3a, DRP3bがT-DNAの挿入によって破壊されたシロイヌナズナのタグラインをそれぞれ入手した.タグをホモで持つそれぞれの系統を作出した.その結果,DRP3a, DRP3bをどちらか一方が破壊された系統では,植物の形態,稔性ともに正常系統と大きな違いは認められなかった.それらの系統のミトコンドリアを観察したところ,ミトコンドリアの長大化が多少認められたものの,劇的な変化は認められなかった. そこで,DRP3a, DRP3bの両方を破壊した系統を作出した.この系統では,植物体の成長が遅れて矮化し,葉がカールした.この系統のミトコンドリアは著しく巨大化した球状を示すものが多数観察された.ダブルミュータントの細胞に,パーティクルガンで野生型のDRP3a, DRP3bの両方を高発現させるコンストラクトを導入し一過的に発現させると,巨大化した球状のミトコンドリアは,数時間で正常の形状に戻った. ミトコンドリア形質転換 タバコ培養細胞BY-2にアラビドプシス由来のDRP3aのドミナントネガティブ型遺伝子を導入し,形質転換系統を作出した.この系統に,タバコミトコンドリアゲノム上のcob遺伝子と共転写される遺伝子群を切り出し,cob遺伝子にアンチマイシン耐性となる変異をin vitroで導入した.さらに,このコンストラクトにGFP遺伝子を挿入してマーカーとして利用することにした.現在,タバコ培養細胞へこのコンストラクトを導入して,アンチマイシン耐性となる系統を選抜している.
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