2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15208006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
伴戸 久徳 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20189731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 真一郎 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60222585)
佐原 健 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30241368)
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Keywords | バキュロウイルス / マイクロアレイ / プロモーター / バチルスチューリンゲンシス / エンテロトキシン |
Research Abstract |
AcNPV(バキュロウイルス)を各種哺乳動物細胞(HeLa, Vero, BHK)に感染させ、細胞内におけるウイルス遺伝子の発現についてウイルス全遺伝子(約130個)を含むDNAマイクロアレイを用いて解析をさらに進めた結果、少なくとも12種類のウイルス遺伝子がHeLaおよびBHK細胞で共通して発現していることが判明した。さらに、5'RACE法によりこれらの遺伝子の転写開始位置を解析した結果、転写は哺乳動物細胞のRNA Polymerase IIにより触媒されていることが推測された。一方、本ウイルスに対して増殖非許容性といわれる昆虫細胞に本ウイルスを接触させた場合、細胞内でリボソームRNAの急激な減少が誘導されることを見いだした。このことは、増殖が認められない場合でも細胞の生理作用に本ウイルスが大きく影響する可能性を示している。 Bt・セレウス(Bc)菌に存在する非溶血性エンテロトキシンの内、もっとも食中毒に関連すると考えられている、非溶血性エンテロトキシンCのBt・セレウス(Bc)菌における実態調査を行った。非溶血エンテロトキシンCをコードするnheC遺伝子をクローニングならびに、大腸菌で発現させたところ、他のエンテロトキシンの数十倍以上(1ug/ml)の、強いVero細胞毒性を示し、このトキシンが食中毒毒素の本体であることが明らかとなった、しかしながら、Btにおいてはこの毒素は分泌される際,N末アミノ酸残基の50アミノ残基が、欠失もしくは消化されることで、分泌されたエンテロトキシンがVero毒活性を持たないことが明らかとなった。このことは、少なくとも実験に用いたBt菌株については、遺伝子レベルでの危険性はBcと同程度ではあるものの、現状では非溶血エンテロトキシンによる食中毒の危険性が低いことを示している。
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Research Products
(3 results)