2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15208016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
浦木 康光 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90193961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高部 圭司 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70183449)
船田 良 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20192734)
福島 和彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80222256)
近藤 哲男 九州大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30202071)
玉井 裕 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50281796)
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Keywords | 人工細胞壁 / セルロースの配向制御 / ヘミセルロースの堆積機構 / リグニン合成経路 / ナノテクノロジー / リグニン-炭水化物複合体 / 階層構造 / ハニカム構造 |
Research Abstract |
本年度は、ハニカム状に配列している木材細胞壁の模倣材料を創製する目的で、ハニカム鋳型上での酢酸菌の培養によるハニカムパターン化セルロースの調製を検討した。昨年度の研究では、凹部にハニカム構造を有する寒天培地上で酢酸菌を培養すると、菌の増殖は可能であったが、セルロース産生は乏しかった。そこで、本年度は培養条件について主に検討した。酢酸菌の運動を容易にる高湿度条件で、セルロース産生量が顕著に増加した。しかし、依然として菌の増殖も活発で、セルロースを主体とする材料とは言えなかった。酸素濃度の影響を調べた結果、低酸素(1%)・高CO_2(85%)条件下で、菌の増殖を抑制ながら、多量のパターン化セルロースマトリックスが産生することが見出された。セルロースマトリックスの厚さは約1.3μmとマクロオーダーの人工細胞壁の基本骨格が創製できた。また、このセルロースマトリックスは容易に鋳型から取り出せることも分かった。 一方、細胞壁形成のメカニズムを解明する目的で、原形質から供給されるリグニン前駆物質の同定を試みた。リグニン重合反応はヘミセルロース上で進行すると昨年度の研究で明らかとなったが、ヘミセルロースに供給されるリグニン物質がモノリグノールなのか、あるいはその配糖体かについて議論されている。本研究では、ヘミセルロースとこれら前駆体との相互作用を、この研究課題で購入した表面プラズモン共鳴装置で評価した。その結果、キシランおよびグルコマンナンといった代表的なヘミセルロースはモノリグノールであるコニフェリルアルコールと強い相互作用を示すが、その配糖体であるコニフェリンとは弱い相互作用であることが示唆された。したがって、原形質から供給されるリグニン前駆物質はモノリグノールとの結論に達した。
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Research Products
(15 results)