2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15208033
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 忠 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40165056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 純 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (50301114)
柏原 真一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (00254318)
山縣 一夫 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (10361312)
中西 友子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (10344863)
高橋 智 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (50271896)
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Keywords | 精子 / 卵子 / 受精 / 精子成熟 / 卵子活性化 / 細胞融合 / 輪卵管 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
マウスを中心とした雄性配偶子の「なりたち」と「はたらき」に関して研究を行い,次のような研究成果が得られた。 (1)細胞質mRNAポリA鎖伸長に関与する精巣特異的ポリAポリメラーゼTPAPがTAF10とKIF2Cの核移行を制御していることが明らかになった。TPAP欠損マウスでの精子形態形成で機能する半数体特異的遺伝子の転写の減少は,KIF2CのポリA鎖伸長制御で生じるTAF10核移行不全が原因であると結論した。 (2)精子膜タンパク質TESP5とADAM1bのノックアウトマウスの解析を行い,これらのふたつのタンパク質が受精に必須の分子でないことが判明した。特に,TESP5精子は体外受精系では受精能がないにもかかわらず,自然交配によって野生型と同等の産仔産生能を有していた。TESP5欠損オスマウスを交尾させ,子宮より精子を回収して体外受精を行わせるとほぼ正常な受精能を回復することから,精子の子宮通過が受精能獲得などで重要であると考えられた。また,ADAM1b欠損マウス精子は野生型精子と比べてほぼ50%の体外受精率であったが,そのほかでは同等の機能をもっていた。さらに,ADAM1b欠損によってADAM2も精子表面で欠損していたので,これらのタンパク質の細胞表層への移行には小胞体での複合体形成が必須であると考えられた。 (3)卵子活性化に関与すると思われる精子PLCζの解析を行い,卵子活性化への応用ではアミノ末端から110残基を欠く変異タンパク質が有用であることを明らかにした。また,卵子活性化と初期胚発生に関与するほかの精子タンパク質(約30個)の機能解析を行ったが,それらの受精直後から雌雄前核の融合まででの明確な結果は得られなかった。
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