2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15208033
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
馬場 忠 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (40165056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 純 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (50301114)
柏原 真一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (00254318)
山縣 一夫 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (10361312)
中西 友子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (10344863)
高橋 智 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50271896)
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Keywords | 精子 / 卵子 / 受精 / 精子形成 / 卵子活性化 / 細胞融合 / 輸卵管 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
マウスを中心とした雄性配偶子の「なりたち」と「はたらき」に関して研究を行い,次のような研究成果が得られた。 (1)精子膜タンパク質ADAM1bのノックアウトマウスの解析を行い,ADAM1bが精子と卵子透明帯との結合や卵子との融合に関与していないことが明確となった。ADAM1b欠損と同時にADAM2も精子膜上で欠損するため,従来から考えられてきたADAM1b/ADAM2複合体ファーテリンが精子と卵子の融合に必須でないことを証明できた。ADAM1a欠損マウスの解析結果も含めて考察すれば,ファーテリンは,受精での直接的な配偶子間相互作用ではなく,ADAM3などの受精に必須の精子タンパク質を精細胞小胞体から精子表面へ移行させるような機能をもっていることが示唆された。 (2)マウス精子膜上でGPIアンカーしている新規ヒアルロニダーゼ(Hyal5と命名)を同定し,その構造と機能に関して検討を加えた。従来のヒアルロニダーゼPH-20と比較すると,Hyal5も細胞膜にGPIアンカーしていたが,ほぼ半分くらいがアクロソームに局在していた。また,Hyal5遺伝子は精巣特異的に発現しており,マウス6番染色体上でPH20遺伝子から約60キロ塩基対離れて存在していた。さらに,PH20欠損マウスの精子抽出液を用いた卵丘細胞塊の分散を調べた結果,Hyal5が精子の卵丘細胞塊通過で中心的な役割を果たしていることが示唆された。 (3)TESP5欠損マウスの解析を行い,その欠損オスマウスは正常な産仔産生能を有していたが,体外受精試験では,その精子の透明帯結合,精子と卵子の融合,および受精はいずれも著しく低率であった。しかし,TESP5欠損オスマウスを交尾させ,子宮より回収した精子で体外受精を行わせると,ほぼ正常な受精能を回復した。したがって,精子の子宮通過が受精能獲得などで重要であることが示唆された。
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