2004 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス調節因子チオレドキシン結合タンパク質による老化・増殖制御の解析
Project/Area Number |
15209015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 肇 京都大学, 医学部附属病院, 助教授 (70303914)
増谷 弘 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (50252523)
鍋島 陽一 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60108024)
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Keywords | チオレドキシン / シオレドキシン結合タンパク質 / レドックス / 老化 / 細胞増殖 / 遺伝子改変マウス / ビタミンD / 高脂血症 |
Research Abstract |
1.遺伝子改変マウスの解析 (1)TBP-2/VDUP1ノックアウト(KO)マウス TBP-2/VDUP1 KOマウスは、絶食時特異的に血清脂肪成分の上昇、低血糖、高インスリン血症を示すことが明らかとなった。また、高脂血症、高インスリン血症の原因遺伝子として報告されているリポプロテインリパーゼ(LPL)の絶食時の発現量がTBP-2KOマウスでは低下していることが明らかとなった。 (2)TBP-2/VDUP1トランスジェニック(TG)マウス TBP-2/VDUP1 TGマウスでは、逆に血清中の脂肪成分の低下や絶食時高血糖を観察した。また、LPLの発現上昇と脂肪酸合成経路の低下が認められた。 これらのことより、TBP-2は、絶食時のエネルギー代謝に重要な因子であることが、明らかとなった。 2.TBP-2による細胞増殖制御の解明 HTLV-1陽性IL-2非依存性T細胞でのTBP-2/VDUP1過剰発現によってp16の発現上昇および、Rbの脱リン酸化を介したG1アレストが起きることを明らかにし、さらにTBP-2/VDUP1による細胞増殖抑制には、その核内移行が重要であることを示した。具体的には、TBP-2/VDUP1は、importin alphaと直接結合し、核内に輸送されていることが判明した。さらにTBP-2/VDUP1KOマウスでは、発ガン物質の投与による癌の発生が顕著に亢進しており、生体内においても、TBP-2/VDUP1が癌抑制因子として機能することを明らかにした。
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