2005 Fiscal Year Annual Research Report
拡張型心筋症に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いた非侵襲性再生医療の挑戦
Project/Area Number |
15209027
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Research Institution | GIFU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
藤原 久義 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80115930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹村 元三 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40283311)
荒井 正純 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (00202721)
小戝 健一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 教授 (90258418)
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Keywords | DCMハムスターモデル / 慢性心不全 / 梗塞後慢性心不全 / G-CSF / G-CSF受容体 / MMP / TNF-α |
Research Abstract |
研究I:G-CSF長期投与によるDCM心の心筋組織の再生と分子メカニズム 本年度はすでに進行した心不全状態になっている25週令DCMモデルハムスターUM・X・7.1にG-CSFを30週令まで投与し、生存率、心機能ならびに組織変化をG-CSF非投与コントロール群と比較した(G-CSF10μg/kg/dayおよび50μg/kg/dayの2群、コントロールは生食投与群、各群n=15)。その結果、3群の生存率はそれぞれ50%、52%、53%と3群間に有意差はなく、また心機能・リモデリング、繊維化等にも有意差はなかった。すなわちDCM慢性心不全モデルに対するG-CSFの治療効果は心不全が軽度の時からの投与では病態の進行を抑制し、生存率を改善するが、慢性心不全がすでに完成している場合には病態の改善も生存率の改善も期待できない。 そこで慢性心不全がすでに完成している心筋梗塞後16週の慢性心不全モデルマウスを用いて、G-CSFがすでに完成している心不全の病態を改善できるかを検討した。その結果、G-CSFはDCMモデルと異なり、梗塞後慢性心不全モデルではすでに低下している心機能とリモデリングを有意に改善することを見出した。そのメカニズムはG-CSF投与による心筋細胞のG-CSF受容体発現の亢進を介したMMP-2/-9およびGATA4の活性化、他方TNF-α、TGF-βならびにAT-1の抑制であった。 研究II:HGFまたはsFAS遺伝子治療併用療法 梗塞後心不全モデルマウスではG-CSFとHGF遺伝子治療は相乗効果を示した。一方sFAS遺伝子治療は:DCMモデルモデルハムスターでは方法論の問題で成功しなかった。 研究III:ヒトDCMへの臨床応用 基礎研究でG-CSFがすでに進行したDCM慢性心不全モデルの予後・心機能を改善しないことが明らかになったため、ヒトDCM患者に対する投与は中止した。
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