2005 Fiscal Year Annual Research Report
異常スプライシング制御による孤発性アルツハイマー病の新規防御法と早期診断薬の開発
Project/Area Number |
15209037
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
遠山 正彌 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40028593)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 秦丈 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00343252)
松崎 伸介 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60403193)
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Keywords | アルツハイマー病 / 神経細胞死 / プレセニリン2スプライシング変種 / 胞体ストレス / カスペース4 |
Research Abstract |
我々はアルツハイマー病(AD)の大半を占める弧発性ADにおける神経細胞死がプレセニリン2(PS2)のエクソン5を欠損するスプライシング変種(PS2V)の発現誘導により惹起される事を明らかとした。本研究ではPS2Vの発現機序の解明とPS2Vによる神経細胞死の機序を明らかとした。低酸素刺激を加えるとハイドロラジカルが生ずる。このハイドロラジカルが神経細胞特異的にHMGA1の発現を誘導する。発現したHMGA1AはPS2premRNAのエクソン5と結合するとともにスプライシング因子を制御しエクソン5をイントロンとしてスプライシングアウトし,結果エクソン5を欠損するPS2mRNAが発現する。PS2Vは小胞体に存在するタンパク質センサーの機能を障害する。これらのセンサーは小胞体ストレスが加えられると小胞体内に発現する折りたたみ不良タンパク質を感知し正常化させるシグナルを出す。ADではこれらのセンサーの機能が障害されているため小胞体ストレスが加わると本来正常化されるタンパク質が正常化されずに小胞体内に過剰蓄積する。この状態に至ると小胞体からカスペース4が流出,これがカスペース3を活性化、細胞死への道を辿る事が明らかとなった。即ち、小胞体ストレスを負荷するとカスペース4の活性化が起こる。この活性化は小胞体ストレス以外の刺激では惹起されず、小胞体ストレスに特異的な反応である事がわかる。カスペース4の発現をsiRNAにより低下させた細胞に小胞体ストレスを負荷すると細胞死が抑制され,逆に発現増強させると細胞死が促進する。また弧発性AD患者脳ではもれなくPS2Vの発現上昇が見られると富みにPS2Vが沈着する部位でのカスペース4の発現上昇が見られた。
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[Journal Article] CARM1 regulates proliferation of PC12 cells by methylating HuD.2006
Author(s)
Fujiwara T., Mori, Y., Chu DL., Koyama Y., Miyata S., Tanaka H., Yachi K., Kubo T., Yoshikawa H., Tohyama M.
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Journal Title
Mol.Cell.Biol. (In press)
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