2005 Fiscal Year Annual Research Report
子宮平滑筋腫瘍の新しい視点での病態解明に基づく治療・予防法の開発と治療指針の作成
Project/Area Number |
15209053
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Research Institution | Kyoto University, Graduate School of Medicine |
Principal Investigator |
藤井 信吾 京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 潤 京都大学, 医学研究科, 教授 (50173430)
富樫 かおり 京都大学, 医学研究科, 教授 (90135484)
高倉 賢二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10221350)
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
二階堂 敏雄 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50180568)
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Keywords | 子宮平滑筋腫瘍 / 月経 / 子宮収縮 / ストレス / 肥満細胞 / アクログラニン / MRI |
Research Abstract |
月経時の子宮収縮がもたらすストレスが子宮筋腫の発生、病態に関与するという新しい視点から解析を進めた。子宮平滑筋では、月経終了後にのみp21の発現やアポトーシス発現を伴うp53の発現を見出し、月経時にストレスを受け、その結果、DNAレベルでの異常をきたして筋腫の発生に結びつく可能性が考えられる。さらに、子宮平滑筋に豊富に存在する肥満細胞が、子宮筋腫細胞との共培養でコラーゲン産生を増進させ、筋腫のひとつの病態である線維化に関与することを示唆した。また子宮平滑筋、子宮筋腫細胞にhTERT遺伝子を導入し、テロメラーゼ活性化を誘導することで不死化細胞株を作成し、これに性ステロイド受容体が長期間維持されることを確認した。この細胞株は平滑筋腫瘍のin vitroの解析において有用であるが、実際に我々が子宮平滑筋肉腫での高発現を見出した。 Acrograninを不死化子宮平滑筋細胞に強制発現させる悪性転化が確認され、Acrograninが癌遺伝子として機能することを明らかにした。また、臨床の場で子宮筋腫に対する治療方針を決定する上で子宮肉腫との鑑別は最も重要な点である。その診断基準として、肉腫の病理診断で、MRIに反映されうる所見を元に、肉腫を疑うべきグレーゾーン症例の選択基準を作成し、その有用性を臨床的に明らかにした。さらに、シネMRIを用いて、子宮が蠕動運動を行っていること、この動きが、月経血の排出や精子運動の補助など生理的な意義を有し、また月経困難症や、避妊具の避妊機序といった臨床的現象に関与する可能性を示唆した。
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Research Products
(8 results)