2003 Fiscal Year Annual Research Report
味覚受容・神経情報伝達システム形成の分子基盤とその再構築
Project/Area Number |
15209061
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
二ノ宮 裕三 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50076048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 裕仁 独立行政法人, 食品総合研究所, 主任研究員 (80353936)
重村 憲徳 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (40336079)
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Keywords | 味細胞応答 / 味神経応答 / 味覚受容体 / シナプス形成 / T1r3-KOマウス / Ggust-KOマウス / 受容体関連分子 / シナプス形成関連分子 |
Research Abstract |
本研究は味覚の受容・情報処理機構を明らかにするために、従来の研究手法に様々な改良を加え、以下の課題について探究する。1)味細胞の味応答特性に関与する受容体及び関連分子を明らかにし、特定の味細胞の情報が伝達される神経細胞を同定する。そのため神経細胞の特性に関与する分子を追求する。2)味細胞-味神経の受容伝達システム形成の分子基盤について、受容体及びその関連分子のKOマウスを用いた解析と、神経挫滅後の再生時の再構築過程の解析を行い明らかにする。 そのため本年度研究では、味細胞の応答記録と分子発現との共解析システムの開発と、受容体T1r3-KOマウスの鼓索神経及び舌咽神経応答の解析、さらにはdpaコンジェニック、T1r3-KO, Ggust-KOマウスとそのwild type niokeru神経節細胞発現分子のサブトラクション法による解析を行った。 その結果、味細胞の味応答記録では、ルースパッチクランプ法を適用し、単離した茸状乳頭味蕾を記録用ピペットで保持し、基底膜からパッチピペットを用いて細胞応答を活動電位として記録する方法が可能になりつつ有る。すでに、50個以上の味細胞から4種の味刺激に対するスパイク応答が測定され、味細胞の味質特異性は従来の報告と比べ高く、約60%が1種の刺激に応答するという結果が得られている。次に甘味及びうま味受容体候補コンポネーントであるT1r3のKOマウスの味応答の解析の結果、T1r3-KOマウスは甘味物質やうま味物質に対する応答がwild typeと比べ総じて低下しているが、その大きさは物質により著しく異なっており、SC45647など人工甘味料が最も大きく低下し、グルコースなど天然糖の応答の低下は軽度であることが明らかになった。また、神経節細胞の分子発現のサブトラクション法による解析は、現在進行中でまだ結果は得られていない。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Damak S., Rong M., Yasumatsu K.et al.: "Detection of sweet and umami in the absence of taste receptor T1r3"Science. 301. 850-853 (2003)
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[Publications] Yasumatsu K., Kaatsukawa H., Sasamoto K., Ninomiya Y.: "Recovery of amiloride-sensitive neural coding during regeneration of the gustatory nerve : behavioral-neural correlation"J.Neurosci.. 23. 4362-4368 (2003)
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[Publications] Ohta R.et al.: "Conditioned taste aversion learning in leptin-receptor-defiecient db/db mice"NeurobioL Learn Mem.. 80. 105-112 (2003)
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[Publications] Murata Y. et al.: "Gurmarin suppression of licking responses to sweetener-quinine mixtures in C57BL mice"Chem.Senses. 28. 237-243 (2003)
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[Publications] Kim M.R.et al.: "Regional expression patterns of taste receptors and gustducin in the mouse tongue"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 312. 500-506 (2003)
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[Publications] Shigemura N. et al.: "Leptin modulates behavioral responses to sweet substances by influencing peripheral taste structure"Endocrinol.. 145. 839-847 (2004)