2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子導入歯髄幹細胞の三次元高密度培養によるバイオ歯の作製
Project/Area Number |
15209065
|
Research Institution | KYUSYU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
赤峰 昭文 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 美砂子 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (20207773)
白畑 實隆 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (90154377)
平田 昌子 九州大学, 大学病院, 助手 (10153769)
|
Keywords | 遺伝子導入治療 / 象牙質・歯髄再生 / バイオ菌 / 歯髄組織幹細胞 / side population cells / 象牙芽細胞 / BMPs / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
本研究は、天然の象牙質・歯髄複合体を有するバイオ歯を三次元高密度細胞培養により試験管内で作製することを目的とした。まず、歯髄幹細胞を得るため、ヒト歯髄から酵素分離した細胞をHoechst33342でラベルして、UVレーザー付きフローサイトメーターで、色素を強く排出する画分、Side population(SP)細胞を分取し、培養増幅させた。歯髄SP細胞は細胞膜表面抗原マーカーであるCD117、CD90およびCD31陽性、CD135陰性によりさらに濃縮できた。次に、ヒト歯根膜SP細胞ならびに上皮由来の細胞と歯髄SP細胞の遺伝子発現を比較するため、アフィメトリックス社のマイクロアレイを行った。この中で得られた歯髄に高発現と思われる遺伝子について、in situ hybridizationおよび歯髄SP細胞の培養に伴うmRNAの経時的変化について調べ、現在歯髄幹細胞に特異的なマーカーを検索した。歯髄SP細胞は軟骨、脂肪、神経への誘導が可能であり、多能性を有することが示唆された。歯髄SP細胞にBmp遺伝子を導入すると、2週後に象牙芽細胞への分化を確認した。細胞が定着し細管象牙質を形成できる足場となる半円球状のscaffold上にBmp遺伝子導入した歯髄幹細胞を高濃度で付着させた。さらにその上に歯髄幹細胞を重層化して試験管内培養した。7日後に光学ならびに電子顕微鏡標本を作製し形態観察を行ったところ、scaffoldに接して垂直的に長く細胞突起が伸びた象牙芽細胞様細胞がみられた。このバイオ歯をイヌ露髄面に移植すると移植片は定着し、細管象牙質基質が一定の方向性をもって形成されていた。以上のことより、Bmp遺伝子導入した歯髄幹細胞はscaffold上でバイオ歯を形成し、移植して方向性を持つ細管象牙質・歯髄を再生するのに有効である事が示唆された。
|