2004 Fiscal Year Annual Research Report
良質な周産期母子ケア提供のための助産師の役割とケアシステム構築に関する研究
Project/Area Number |
15209073
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
村本 淳子 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (50239547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前原 澄子 三重県立看護大学, 学長 (80009612)
永見 桂子 三重県立看護大学, 看護学部, 講師 (10218026)
大平 肇子 三重県立看護大学, 看護学部, 助手 (20259386)
新道 幸恵 青森県立保健大学, 健康科学部, 学長 (30162796)
澁谷 泰秀 青森大学, 社会学部, 助教授 (40226189)
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Keywords | 周産期母子ケア / 助産師の役割意識 / 助産師の役割行動 / 医師の役割意識 / 医師の役割行動 / ケアシステム / 行動分析 |
Research Abstract |
今年度の目的は、(1)行動分析の手法を用いて良質な周産期母子ケアのために医療過疎地域の病院で働く助産師が提供するケアの内容と方法の特徴を明らかにすること、(2)ケア提供者の観点から助産師のもつ役割意識、ケアの実施度に対する認識の実態、(3)医療過疎地域にある中小病院とその診療圏にある地域連携の観点から当該市町村で働く母子保健事業担当保健師の周産期母子ケアに関する認識、(4)ケアの受け手である妊産褥婦の助産師の提供するケアへの期待、ケアの実施度に対する認識の実態を明らかにすることである。 研究方法は、目的(1)は三重県、青森県の医療過疎地域の病院において妊娠期、分娩期、産褥期のケアを受けた妊産褥婦とそのケアを実施した助産師を対象にケア場面をビデオ撮影し、録画をもとにエスノメソドロジー的相互行為分析を行う。目的(2)は昨年度の研究成果と文献検討をもとに独自に作成した自記式質問紙(調査内容は助産師の役割意識、ケアの実施度に対する認識など)を用いた郵送調査を三重県および青森県の病院で働く全助産師を対象に実施する。目的(3)は医療過疎地域にある中小病院の診療圏にある市町村で働く母子保健事業担当の保健師を対象に独自に作成した自記式質問紙(調査内容は実施している母子保健事業、医療施設と地域の連携の現状と助産師に望むこと、保健師と助産師の役割分担と連携における課題など)を用いた郵送調査を実施する。目的(4)は三重県、青森県の医療過疎地域にある病院において、妊娠期、分娩期、産褥期のケアを受けた妊産褥婦を対象に先行研究での調査内容をもとに独自に作成した自記式質問紙(調査内容は助産師の提供するケアへの期待、実際受けたケアなど)を用い、37週以降の妊婦健診時に妊娠期の調査、産褥3日に分娩期の調査、産褥1ヶ月頃に産褥期の調査(退院時配布)を実施し、縦断的に回答を求めた。 助産師に行った調査結果は、調査用紙は青森県で34施設に276配布、三重県では23施設に183配布の合計459配布し、回収247(回収率53.8%)であり、そのうち有効回答の246を分析対象とした。平均年齢は37.9歳、平均実務年数13.3年で、勤務病棟は、産科と産婦人科病棟勤務は124(50.4%)、混合病棟勤務は97(39.4%)で、役職はスタッフが174で全体の70.7%であった。助産師の役割意識と実現度に関して、役割意識は高い得点を示したが、心理面へのサポートや社会的役割の実現度は低く、分娩進行の観察やケアに関しては実現度が高かった。その他、妊産婦への調査は調査用紙回収の段階であり、助産師の行動分析と保健師対象の調査に関しては、現在データの収集は終了し、分析中である。次年度は順次データ分析を行い、良質な周産期ケアとシステム構築を考案予定である。
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