2006 Fiscal Year Annual Research Report
中央アジアにおけるウイグル人地域社会の変容と民族アイデンティティに関する調査研究
Project/Area Number |
15251002
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
新免 康 中央大学, 文学部, 教授 (10235781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 久男 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30138622)
澤田 稔 富山大学, 人文学部, 教授 (20215916)
藤山 正二郎 福岡県立大学, 人間社会学部, 教授 (30113244)
堀 直 甲南大学, 文学部, 教授 (80140391)
吉田 世津子 四国学院大学, 社会学部, 助教授 (70352086)
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Keywords | 中央アジア / ウイグル / 地域社会 / 民族意識 / 新疆 / カザフスタン / ウズベキスタン / クルグズスタン |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引続き、旧ソ連領中央アジア、中国新疆における実地調査・資料収集を実施するとともに、両国の国境をまたがって存在するウイグル人地域社会の形成のポイントと言える移動交通路を実地踏査した。また、本研究課題の総括として、調査研究の成果発表を中心とする国際研究ワークショップを開催した。さらに、付随的にトルコとヨーロッパにおけるウイグル人移民(亡命者)社会の調査も実施した。具体的には以下の通りである。 1.実地調査の実施 第一に、旧ソ連領においては、ウズベキスタンのフェルガナ地域のウイグル村において補充的な聞き取り調査を行った。第二に、中国領新疆において、南部新疆において民族誌的調査をさらに継続したほか、歴史的背景として20世紀前半期の文化状況に関して、政府文書史料の調査・収集を行なうとともに、ウルムチとカシュガルで知識人などから歴史的記憶の聞き取り調査を行なった。第三に、国境をまたいだウイグル人地域社会の歴史的形成と現在にまで続く地域社会間の交流の上で重要な役割りを果たした交通路の一つである、カシュガル〜フェルガナ間のパミール越えの道を実地踏査し、歴史的状況との比較検討を行なうとともに、現在の商業的・人的交流の実態についてもデータを取得した。第四に、中央アジアのウイグル人社会との関係において、トルコおよびヨーロッパにおけるウイグル人移民・亡命者社会について、とくに代表的な知識人・指導者の経験の聞き取り調査、ウイグル人組織の基本状況に関するデータの取得、および関連資料の収集を行なった。 2.国際研究ワークショップの開催 本研究課題の調査研究を総括する意味で、研究分担者・協力者を中心的な発表者とし、関連分野の代表的研究者3名を合衆国、中国、カザフスタンから招聘して(さらに1名ペーパー参加)、「International Workshop Uyghur Society, Culture and Ethnic Identity in Xinjiang and Central Asia(新疆・中央アジアにおけるウイグル人の社会・文化と民族アイデンティティ)」をテーマとする国際ワークショップを開催した。 3.ウェブサイトの運営 本プロジェクトの概要、経過、成果の公開化を継続的に展開した。 URL : http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/-shinmen/project/index.htm
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Research Products
(6 results)