2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15251003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
松野 陽一 国文学研究資料館, 館長 (50005823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
キャンベル ロバート 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50210844)
山下 則子 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (40311162)
谷川 惠一 国文学研究資料館, 文献資料部, 教授 (10171836)
中野 真麻理 国文学研究資料館, 文献資料部, 助手 (50280532)
齋藤 希史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (80235077)
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Keywords | 在欧日本古典籍 / 東洋語図書館 / キオッソーネ東洋美術館 / ヴェネチア東洋美術館 / マリオ・マレガ文庫 / 国際情報交換 / フランス / イタリア |
Research Abstract |
平成2年度から継続して行われている、フランスの日本文学研究者と国文学研究資料館との共同学術調査を、イタリアにも拡大して行い、ヨーロッパにおける和書原本による研究を推進するために、以下のことを行った。 フランスにおける調査は、2003年7月、同12月、2004年3月の3回、のべ13人により、パリの東洋語図書館において行った。調査は、東洋語図書館の全面的な協力の下、対象を同館に幕末より集められてきた日本語文献のうち明治期以前のものに絞って行った。今年度の調査点数は868点である。今回の調査により、東京大学予備門等の明治初期の各種の学校の要覧、民法草案等のボアソナード旧蔵の法律書など、日本国内においてその所在の確認しがたい数多くの文献を見いだすとともに、それらがフランスにも,たらされた経緯を、文献に挿入されていた名刺等により具体的に推定することができたことは、日仏文化交流史の研究を前進させる上で重要な意味をもつ。同図書館の調査点数は、累計で約2、200点に達しており、2004年度の調査完了・2005年度の目録刊行に向け、谷川が中心となり、作業を推進している。 イタリア調査は、館内者1名、館外者1名、現地研究協力者1名でそれぞれ行った。ヴェネチア東洋美術館(2004年3月1日〜5日)で190点の書誌調査を行い、キオッソーネ東洋美術館(2004年3月9日〜13日)では、44点の新規調査、及び目録作成のための既調査本の再調査を46点、合計90点行った。再調査は、調査カードに基づいて目録に必要な事項をエクセル形式にデジタル化して打ち出したものと、既調査カードコピーを持参し、全ての書誌事項に関して確認すると共に、書誌的に重要な箇所のデジタル写真撮影も行った。キオッソーネ東洋美術館の目録作成は、数回の再調査の後に行われる予定であり、その内容についての検討を行った。また、キオッソーネ東洋美術館では現地における展覧会を予定しており、日本書籍に関する解説や図録の作成等の協力依頼があった。実施時期等を含めて、数回の検討を行った。2003年11月末から2週間、イタリアの研究協力者ラウラ・モレッティ氏が来日し、ヴェネチア東洋美術館やキオッソーネ東洋美術館の調査に関する打ち合わせや、所蔵資料に関する調査を行った。マリオ・マレガ文庫に蔵されていた新出の黒本・青本について発表し、文庫目録の英訳を作成、検討中である。
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Research Products
(2 results)