2005 Fiscal Year Annual Research Report
未調査のバントゥ諸語および隣接諸言語の記述・比較研究
Project/Area Number |
15251004
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
加賀谷 良平 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70014511)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 恭敏 熊本大学, 大学院・社会文化科学研究科, 教授 (20011299)
宮本 正興 中部大学, 国際関係学部, 教授 (60066701)
松下 周二 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (20014475)
梶 茂樹 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (10134751)
米田 信子 大阪女学院大学, 国際・英語学部, 助教授 (90352955)
|
Keywords | ルグル語 / キボソ語 / マテンゴ語 / ジタ語 / 名詞前接辞 / 言語接触 / 語彙集 |
Research Abstract |
平成17年度の研究実績 ほぼ当初計画通りの調査と研究成果を得る事が出来た。海外での調査としては、タンザニアのルグル語(湯川担当)、チャガ語キボソ方言(加賀谷担当)、マテンゴ語(米田担当)、ウガンダのグェレ語(加賀谷担当)、ガンダ語(梶担当)、マリ、ニジェールのソンガイ語(松下担当)等の言語資料収集とその精密な分析を行った。これらの調査は,当初の予定通り全て補充調査であり、言語によって調査内容が異なるが、概ね語彙、文法,音韻等の比較調査が主である。この結果、ルグル語では名詞の前接辞に関する新たな資料を収集し、バントゥ諸語全体の名詞構造および言語分岐に関する画期的な資料を得る事が出来た。また、キボソ語(方言)調査では,キボソ語がバントゥ諸語としては極めて独自な言語である事が判明し、マサイ等の言語系統の異なる異民族との言語接触から生じた影響が大きい事を示す資料を収集出来た。さらに、トーロー語では周辺言語との比較資料を収集し、マテンゴ語他の調査でも、それぞれの言語に関する新たな統語論的な知見を得る事が出来た。 これらの研究成果は多くの研究論文及び、ジタ語、グウェレ語、キボソ語、プヌ語、マテンゴ語、ベンデ語の六言語の語彙(文法)集として、当初計画通りに出版し、国内外に広く配布する予定である。 当初計画に含めていた、キクユ語とモザンビークの諸言語の調査は時間不足の為に完遂出来なかった。これらは難解な言語であり、かつ貴重な知見を得る事が期待されていただけに、極めて残念である。特に、キクユ語の音調システムは世界の言語の中でも難解なものであり,機会を見て再調査を試みたい。
|
Research Products
(13 results)