2004 Fiscal Year Annual Research Report
IT等の科学技術の視点を踏まえたイスラム問題の現状と今後の展開に関する研究
Project/Area Number |
15252001
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
北村 歳治 早稲田大学, 大学院・国際情報通信研究科, 教授 (00329153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 作治 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80201052)
山崎 芳男 早稲田大学, 大学院・国際情報通信研究科, 教授 (10257199)
佐藤 次高 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (10012981)
店田 廣文 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (20197502)
長谷川 奏 早稲田大学, エジプト学研究所, 助教授 (80318831)
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Keywords | イスラムとIT / 学際的アプローチ / 東南アジアイスラム / 中東イスラム / 中央アジアイスラム / ITと科学・技術 / ITと経済活動 / ITと文化遺産 |
Research Abstract |
平成16年度は、トルコを中心とした現地調査と討議を行う予定であったが、討議会場を予定しているイスタンブール工科大学の要望で、実施は平成17年9月になった。そこで、平成16年度は、各研究分担者がそれぞれの研究を推し進め、成果の著述を行なうことを目標とした。東南アジア地域では、まず、平成16年3月のマレーシア・ワークショップで重点的に討議された課題のとりまとめを行った。ここでは、マルチメディア・スーパーコリドーというICT推進の国家的プロジェクトを進めるマレーシアで、(1)国教であるイスラムの思想が先端技術に対してどのようなスタンスをとるか、(2)先端技術が、同国の経済・福祉・教育の場などでいかに生かされているか、(3)多民族国家の中でのICT推進に際する現実的な問題点は何か、が最も重要な論点となった。またこれらの研究成果を継続させるべく、イスラム潮流の核となりつつあるインドネシアで、情報の収集と討議の場を得るための準備活動を行った。中東イスラム地域では、イスラム技術論の歴史的観点から、中世に開発された製糖技術を文献資料から復元し、再評価を試みた。また文化関連では、都市開発に対応する文化財保護行政と文化遺産のデジタル化に関する比較研究を行った。情報技術関連では、乾燥地域を特徴づけてきた省エネルギー科学の研究を実践した。政治・経済関連では、エジプト、サウジアラビア、湾岸諸国などにおける最新の動向把握をめざし、米国主導の中東民主化構想の問題点を探り、現地で頻発するテロの背景把握と、大衆扇動に利用されるICTの側面を検討した。中央アジア地域においては、イスラム問題をベースとする地殻的な変動の動向を探った。また本年度は、地域ごとに細分化した研究と共に、世界の各地でさまざまな背景のもとで起こるイスラム問題の把握に努め、経済分野では必須の論点となるイスラムの利子問題をまとめた。
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Research Products
(28 results)