2005 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア大陸部・西南中国の宗教と社会変容-制度・境域・実践
Project/Area Number |
15252003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 行夫 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60208634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
速水 洋子 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (60283660)
柳澤 雅之 京都大学, 地域研究統合情報センター, 助手 (80314269)
黒田 景子 鹿児島大学, 法学部, 教授 (20253916)
長谷川 清 文教大学, 文学部, 教授 (70208479)
西本 陽一 金沢大学, 文学部, 講師 (00362012)
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Keywords | 東南アジア大陸部 / 西南中国 / 宗教 / 社会変容 / 上座仏教 |
Research Abstract |
国内研究分担者6名は、それぞれ1〜3回に及ぶ海外渡航調査を実施した。林は東北タイ農村でのタマカーイ運動の展開、長谷川は中国徳宏と西双版納で宗教政策を、村上は北タイ国境域のシャン仏教の制度と実践について、西本は北タイおよびミャンマーのシャン州のキリスト教徒ラフと伝統宗教派ラフの実践を制度変化と共に比較し、兼重は北タイ「難民村」中国語学校の宗教教育、王は北タイ雲南系ムスリムのイスラーム学校を中心にイスラーム地域社会形成に関する調査をそれぞれ実施した。高橋はカンボジア仏教徒社会の女性在俗修行者の宗教実践を精査して詳細な生活史を記録した。いずれも制度と実践の実態と変容過程について各国地域の社会状況を新たに再考する知見を有する一次資料である。初年度より参加の外国人研究者は、2名が任地国において2週間から1カ月の調査を行った。他の1名は京都にてすでに本科研で蒐集した資料の分析と文献研究を行い、近く英文単著として刊行できる草稿を準備した。また、今年度限りではあったが、政情不安で外国人の踏査が困難となったタイのムスリムの動向については、ラージャパット・トンブリー大学のサオワニー氏(タイ=ムスリム協会委員)の参加によって実りある調査成果を得た。研究協力者(日本人4名)は、激増する学内業務で長期の海外渡航が困難になった在職者よりも多くの時間を資料蒐集活動に割いた。小林はカンボジアの宗教行政と仏教サンガの現状、原は経典および仏教書を精査してミャンマー仏教の文字文化の実践を、森はミャンマーのケントゥンにおいて旧暦新年儀礼の参与観察調査を実施した。それぞれの成果を報告検討するため国内研究会を夏、秋、冬に計3回実施し、現在、報告本編と制度資料編の二部構成をとる成果報告書を編集中である。
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Research Products
(7 results)