2004 Fiscal Year Annual Research Report
ムギ農耕とそれを取り巻く生態系における環境・人・作物・雑草の相互関係に関する研究
Project/Area Number |
15255012
|
Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
大田 正次 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (80176891)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 由浩 福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (80264688)
冨永 達 京都府立大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10135551)
森 直樹 神戸大学, 農学部, 助教授 (60230075)
|
Keywords | 植物遺伝資源 / ムギ農耕 / 農業生態系 / 生態遺伝学 / 生態型分化 / 国際研究者交流 / トルコ:イラン |
Research Abstract |
昨年度にひきつづきトルコとイランにおいて調査を行った.1.トルコ:(1)6月18日から7月14日の間,トルコ南部と南東部においてチュクロバ大学と共同で現地調査を行った.結果,コムギ属6種93サンプル,エギロプス属11種335サンプル,ライムギ属3種11サンプル,ドクムギ属3種18サンプルを含む合計592サンプルの種子およびさく葉標本を収集しチュクロバ大学に保存した.この調査によりAegilops neglectaのトルコ南部固有変種の地理的分布が明らかとなった.(2)10月下旬と12月下旬に,昨年度調査地として選んだ4集団においてエギロプス属の種子発芽率を調査した結果,すべての種において同一穂内の小花によって種子休眠の程度が異なることが明らかとなった.2.イラン:7月6日から25日にかけてザグロス山脈とアルブルツ山脈南麓をイラン国立植物ジーンバンクと共同で現地調査した.結果,コムギ属8種131サンプル,エギロプス属9種188サンプル,ライムギ属2種74サンプル,その他のコムギ連7属183サンプル,ドクムギ属4種59サンプルを含む合計780サンプルの種子およびさく葉標本を収集しイラン国立植物ジーンバンクに保存した.この中にはスペルタコムギ3サンプル,エンマーコムギ6サンプルが含まれる.また,コムギ畑に混入するライムギのうち種子脱落性個体の頻度がザグロス山脈北部およびカスピ海南東部で高いことが明らかとなった.ドクムギ属では,随伴雑草の成立を解明するのに重要なサンプルを収集できた.3.共同研究合意書:福井県立大学とイラン国立植物ジーンバンクとの問で合意書を交わし,MTAに基づいてドクムギおよびライムギ属の種子サンプルの分譲を受けた.4.一次報告書:概要を「A preliminary report of ‘Fukui Prefectural University Agro-ecological Exploration in Southwest Eurasia in 2004 (FASWE04)' No.1.Turkey」「同No.2.Iran」の2分冊として公表した.
|
Research Products
(11 results)