2003 Fiscal Year Annual Research Report
南部アフリカにおける畜産開発阻害要因となる家畜と野生動物の感染症対策の確立
Project/Area Number |
15255021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 光敏 鹿児島大学, 農学部, 教授 (00174954)
杉本 千尋 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90231373)
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
板垣 匡 岩手大学, 農学部, 助教授 (80203074)
福士 秀人 岐阜大学, 農学部, 教授 (10156763)
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Keywords | ザンビア / 牛 / 野生動物 / 肝蛭症 / 生殖器 / ダニワクチン / セルピン / 国際情報交換 |
Research Abstract |
平成15年度は安田、板垣、杉本、吉田が8月に、小沼が平成16年2月にザンビアを訪問し、野外実験を開始した。 初年度のため今後フィールドワークを展開できる農村(農民)を確保する目的で、ザンビア大学教官とNakasangwe村を訪問し、現地のリーダーに研究協力を依頼した。 途中2個所の屠畜場で15頭のウシより肝蛭虫体を採材して形態学および分子生物学的検討し、両性生殖型Fasciola giganticaと同定した。F.giganticaの中間宿主を明らかにする目的で、ルサカ市近郊でLymnaea属の淡水巻貝を採取し、幼虫寄生の有無を調べたが感染は確認されなかった。 またザンビア国内で捕殺されたライオン、イボイノシシ、ブッシュバック、ワイルドビーストの野生動物雌性生殖器について形態学的観察を行い、ライオンとブッシュバックの妊娠子宮、胎盤および胎児の形態が判明した。イボイノシシは産業ブタと類似した雌性生殖器形態を示した。 抗ダニワクチンの開発を自的として、ダニのセリンプロテアーゼインヒビター(以下セルピン)に注目した。セルピンはセリンプロテアーゼ活性を制御することにより生体の恒常性を維持する。これまでにフタトゲチマダニ由来のセルピンを2つ、またアフリカのダニ(Rhipicephalus appendiculatus)由来のセルピンを4つ(RAS1-4)得ており、その発現に成功した。フタトゲチマダニのセルピンでウサギを免疫することによって抗ダニ効果が得られたことから、セルピンは有効な抗ダニ抗原であることが確認されたので、カクテルワクチンとしてウシに免疫後、ダニ攻撃を行いその抗ダニ効果を判定しようとザンビアでウシに免疫して、その後にダニ攻撃を行なう実験途中である。 9頭の野生動物糞便と土壌のRhodococcus equi分離では75%が陽性であったが、全例で抗原陰性であった。
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Research Products
(1 results)