2004 Fiscal Year Annual Research Report
南部アフリカにおける畜産開発阻害要因となる家畜と野生動物の感染症対策の確立
Project/Area Number |
15255021
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
杉本 千尋 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90231373)
吉田 光敏 鹿児島大学, 農学部, 教授 (00174954)
福士 秀人 岐阜大学, 農学部, 教授 (10156763)
板垣 匡 岩手大学, 農学部, 助教授 (80203074)
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Keywords | トリパノソーマ症 / ヌー(Wildbeast) / 肝蛭 / ダニワクチン / コイタマダニ / サルモネラ菌 / 薬剤感受性試験 / 腸内細菌 |
Research Abstract |
Trypanosoma congolenseの遺伝子診断法としてLAMP法用プライマーを設計し、PCRと同等かそれ以上の特異性と,感度が得られた。濾紙上に採血した同原虫の感染調査ではザンビア産ヌーで2/20の陽性、バッファロー(0/8)、インパラ(0/8)、シマウマ(0/8)は陰性であった。ザンビアではヌーが家畜のトリパノソーマ症の感染源であることが示唆された。 ザンビア産肝蛭(両性生殖2倍体)と日本産肝蛭(単為生殖2倍体・単為生殖3倍体)の種の同一性を確かめるため、両肝蛭のメタセルカリアをヤギに投与し、両者の交雑、稔性雑種形成の可能性について検討した。ヤギより回収した両肝蛭のメタセルカリア(F1)を作出し、それをラットに感染させて成虫に発育させている。 コイタマダニの制圧を目的とし、牛での抗ダニワクチン効果判定を行うため、有力な候補抗原であるセリンプロテアーゼインヒビター(RAS-1、RAS-2)をカクテルワクチンとし、ザンビアで5頭の牛に2週おきに3回免疫後、対照牛を含め10頭に若ダニ500匹、成ダニ40匹のダニ攻撃を行った。ワクチン牛では若ダニで61%、メス成ダニて28%、オス成ダニで43%と対照牛に較べ高い死亡率が確認された。メスダニの産卵量の減少もみられ抗ダニ効果が確認された。 アフリカ現地住民に感染拡大の恐れがあるサルモネラ菌を家畜と野生動物から分離した。市販の食肉の分子疫学的汚染調査も行った。invAをターゲットとしたキメラプライマーを用いた定温PCRを導入し、その有用性を証明し、PCR産物の検出系としてELISAおよびイムノクロマト法の実用性を明らかにした。 ザンビアやマラウィにおいてヒト、ウシ、野生のレチュウェ、カバ,バッファロー,プク、シマウマなどの糞を採取し、大腸菌、腸球菌およびサルモネラ菌の分離同定後,日本に菌株を送付して薬剤感受性試験を実施した。
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