2005 Fiscal Year Annual Research Report
南部アフリカにおける畜産開発阻害要因となる家畜と野生動物の感染症対策の確立
Project/Area Number |
15255021
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
杉本 千尋 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (90231373)
磯貝 恵美子 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (80113570)
福士 秀人 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10156763)
板垣 匡 岩手大学, 農学部, 教授 (80203074)
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Keywords | ヘルペスウィルス / 腸内細菌 / 薬剤感受性試験 / サルモネラ菌 / トリパノゾーマ / 牛 / カフエレチュウェ / ファブリキウス嚢 |
Research Abstract |
ザンビア共和国において野生動物の糞便を採取し、大腸菌及び腸球菌を分離した。さらにホロホロチョウ、ハト、土着鶏およびブロイラーからファブリキウス嚢ならびに血清を採取した。これらの糞便及びバッファローの血液からDNAを抽出しヘルペスウイルスの検出を行った。これまでに、全ての糞便検体から大腸菌及び腸球菌と推測される細菌を分離し、ヘルペスウイルス遺伝子が検出された。さらにカフエ平原において家畜(牛)と野生草食動物(カフエレチュウェ)が接する地域での牛やカフエレチュウェから糞便を採取し、糞便由来の大腸菌と腸球菌の薬剤耐性を調べ、相互の関わりについて検索中である。さらにルサカとその近郊の屠畜揚で牛から住血吸虫、糸状虫および双口吸虫を採材し、その種の同定、DNA解析を行っている。また、サウスルアンガ国立公園の野生動物から糞便材料を回収して寄生虫学的に検査している。 トリパノソーマ原虫感染症についてLAMP法での診断法の有用性を確認するため、実験動物(豚)でのTrypanosoma evansi感染モデルを用いて感度、特異性について検討した。その結果、LAMP法はPCR、マイクロヘマトクリット遠心法、血液塗抹鏡検法に比較して感度、特異性に優れた方法であることが実証できた。また等温遺伝子増幅法を用いてザンビアにおいて鶏肉および鶏卵から分離したサルモネラからinvA遺伝子の検出を試み、従来のPCRの結果と比較した。増幅産物の検出はマイクロストリップ法あるいはマイクロタイタープレート法のどちらでも可能であり、従来のPCRよりも高感度であることがわかった。さらに、マーケットにおける食肉の汚染状況を調べたところ、温度管理に問題のあるマーケットでは公衆衛生上問題があることが判明した。
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