2006 Fiscal Year Annual Research Report
南部アフリカにおける畜産開発阻害要因となる家畜と野生動物の感染症対策の確立
Project/Area Number |
15255021
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Research Institution | IWATE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安田 準 岩手大学, 農学部, 教授 (20142705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沼 操 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70109510)
杉本 千尋 北海道大学, 大学院人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (90231373)
吉田 光敏 鹿児島大学, 農学部, 教授 (00174954)
福士 秀人 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (10156763)
板垣 匡 岩手大学, 農学部, 教授 (80203074)
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Keywords | ザンビア / 野生動物 / 性決定領域遺伝子(SRY) / ミトコンドリアチトクロームb(Cyb)遺伝子 / Fasciola gigantica / トリパノソーマ症 / 種鑑別 / LAMP法 |
Research Abstract |
ザンビア産の野生動物における体毛または血液を用いて、Y染色体上の性決定領域遺伝子(SRY)およびミトコンドリアチトクロームb(Cyb)遺伝子を検出し、性と種の遺伝子判別の検討を行った。オスの野生動物で、5科16種の体毛の毛根より抽出したDNAと、5科7種の血液FTA濾紙ディスクをPCRのテンプレートとした。SRY領域とCyb領域の増幅産物は電気泳動により標的バンドの検出状況(SRY:214bp, Cyb:378bp)を観察し、ダイターミネーター法でDNAシークエンスを解析した。その結果、SRY遺伝子配列を解析した8種ではヒト同遺伝子と87.0%〜92.8%の相同性を、各々と同属・同科の家畜同遺伝子と.81.7%〜94.2%の相同性を示した。Cyb遺伝子配列を解析した5種間では84.4%〜88.6%の相同性を示し、遺伝子判別への応用に有用であることが明らかとなった。 屠畜場で15頭のウシより肝蛭虫体を採材し、虫体を形態学的および分子学的に精査した結果、両性生殖型Fasciola giganticaであることが明らかとなった。また、F.giganticaの中間宿主を明らかにする目的で、Lymnaea属の淡水巻貝を採取し、幼虫寄生の有無を調べたが感染は確認されなかった。 トリパノソーマの種鑑別が可能なloop-mediated isothermal amplificaton(LAMP)法の開発を試みた。遺伝子配列をトリパノソーマ種、他の原虫種のそれらと比較し、種特異的配列からLAMPプライマーを設計した。結果として、それぞれのプライマーセットを用いたLAMP反応で、4種のトリパノソーマ原虫のDNAからそれぞれ特異的に反応産物が確認できた。検出限界はおよそ1fgであり、極めて高感度であった。
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