2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15256004
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 俊一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30200679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 裕幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80237635)
大津留 晶 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00233198)
芦沢 潔人 (財)放射線影響研究所, 臨床研究部, 研究員 (10304932)
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30295068)
青柳 潔 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80295071)
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Keywords | チェルノブイリ / 放射線 / 甲状腺がん / 分子疫学 / 遺伝子多型 / 遺伝子診断 / 放射線感受性 / 再配列異常 |
Research Abstract |
(1)チェルノブイリ原発の周辺地域に住む住民から発症した小児甲状腺がん患者より手術摘出された組織を有効利用するために国際的なチェルノブイリ組織バンクを設立し蓄積保管して分子疫学的な解析に役立てている。代表者は、チェルノブイリ組織バンクの委員として参画している。現在までに600例ちかい甲状腺がんの遺伝子の蓄積がなされ、遺伝子解析がなわれている。すでに事故後17年が経過したために、小児甲状腺がんから、思春期さらには成人甲状腺がんの発症頻度の増加がみられる。さらに遺伝子解析では、RET/PTCの遺伝子再配列異常の解析がおこなわれ、原発事故後、早期に発症した甲状腺がんでは、RET/PTC3の頻度が高かったが、徐々にRET/PTC1の頻度が増えてきていることがわかってきた。現在、甲状腺がんのケース・コントロール研究を持続し、IARCとの共同研究で、線量モデル評価とリスク計算を行っている。 (2)病理診断からGenotype-Phenotype関係の解明 手術標本の病理診断には、国際チェルノブイリ甲状腺がん病理組織診断パネルに参加して国際的なレベルでの診断を統一している。レーザーマイクロダイセクションにて腫瘍部組織のみを分取して遺伝子解析を行っている。その結果、BRAF遺伝子は、成人甲状腺では約50%に活性型変異がみられた。組織型は、乳頭癌に限定してみられた。また、チェルノブイリ小児甲状腺がんでは、BRAF遺伝子変異が低頻度であり発症機序が異なることを報告した。
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Research Products
(6 results)