2006 Fiscal Year Annual Research Report
音情景の分解・合成・拡張に基づく音響拡張現実感に関する研究
Project/Area Number |
15300035
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
猿渡 洋 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (30324974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿野 清宏 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00263426)
川波 弘道 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (80335489)
戸田 智基 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助手 (90403328)
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Keywords | 音情景 / ブラインド信号処理 / 音源分離 / バイノーラル / 音響拡張現実感 / 音声処理 |
Research Abstract |
(1)バイノーラル型ブラインド音源分離アルゴリズムの実装および実環境評価 バイノーラル(両耳受聴)型ブラインド音源分離手法であるSIMO-ICAアルゴリズムを用いて、計算機上への実装および様々な実環境音に基づく有効性の定量的検証を行った.複数の雑音状態,実環境残響特性を模擬して実験を行ったところ,従来法よりも優れた分離品質結果を得た.また,同アルゴリズムを汎用の浮動小数点型DSPに組み込んでポケットサイズ音源分離モジュールを構築し,その有効性を確認した. (2)バイノーラル音源分離実験用音声信号データベースの整備 上記で提案するバイノーラル型音源分離処理の性能定量化を統計的に行うため,音源分離実験用の多様な音声信号データベースを収録・整備した.ここでは,音源として主に音声信号以外にも室内や室外の典型雑音(定常背景雑音,生活雑音,駅などの公共施設での雑音など)を用い,音響環境をより現実的なモデルで模擬した.受音環境としては,可変型マイクロホンアレーおよびダミーヘッド(模擬頭)に取り付けられた人工両耳など,いくつかの形状に関してデータ測定を行った. (3)機械音声認識による音源分離性能評価 本提案音源分離処理の工学的な応用可能性を具体的に評価するため,複数の雑音環境を模擬して音声認識実験を行った.その結果,有意な音声認識率向上を確認できた. (4)音情景分解・合成性能の評価 上記処理で分離された各音情景を変形させ,それを合成して新しい(未知の)音情景を制作するツールを作成した.とくにこの処理系を両耳補聴器として実装し,聞き取りづらい混合音を別の(聞き取り易い)音情景へと変換する3聴覚主観実験によってその有効性を確認した.
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Research Products
(5 results)