2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300074
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩宮 眞一郎 九州大学, 芸術工学研究院, 教授 (60112356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 正幸 九州大学, 芸術工学研究院, 助手 (40315156)
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Keywords | 擬音語 / イメージ / 音源情報 / 印象 |
Research Abstract |
本研究の目的は,擬音語を用いた新しい音の感性的評価手法を確立することである。昨年度は,各種の環境音や合成音の音響的特徴と擬音語表現及び聴取印象の相互関係について検討した。一方,実際に擬音語を利用して音の評価を行う場合,音の聴取者が表現した擬音語から,元の音に対する印象や音響的特徴といった情報を得ることが求められる。そこで本年度は,さまざまな擬音語表現を被験者に呈示し,擬音語からイメージされる音の印象や擬音語から得られる音源情報を検討する実験を行った。 昨年度の実験で得られた擬音語回答から,多くの被験者の回答を代表する典型的な擬音語と特異な擬音語を選択した。これらを昨年度の実験に参加していない被験者に呈示し,擬音語からイメージされる音の印象を,昨年度の実験と同様の13個の形容詞対尺度を用いSD(Semantic Differential)法により測定した。さらに,擬音語に対応する元の音の音源について自由に記述させた。典型的な擬音語と特異な擬音語が呈示された場合に,音源を的確に回答した被験者の割合を全刺激にわたって平均した正答率は,それぞれ64.3%,24.3%であった。印象評価実験の結果は昨年度得られた音刺激に対する印象評価結果と合わせて分析した。音刺激と擬音語刺激に対する評価結果を比較すると,濁り感や明るさ,鋭さなどの印象に関しては,典型的な擬音語に対する印象,特異な擬音語に対する印象共に音刺激に対する印象に近いことが分かった。音刺激と擬音語からイメージされる音の印象が近い場合,擬音語から元の音の印象をある程度推測できると考えられる。また,擬音語辞典から抜粋した典型的な擬音語や音の聴取者が回答した擬音語に対する印象と擬音語の特徴の関連を検討したところ,「高い」音をイメージさせる擬音語は母音/i/を含むなど,昨年度までに得られた知見と概ね一致する結果が得られた。
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Research Products
(5 results)