2004 Fiscal Year Annual Research Report
乳幼児におけるアクションイベントの単位分割、カテゴリ化、言語化に関する研究
Project/Area Number |
15300088
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
今井 むつみ 慶應義塾大学, 環境情報学部, 助教授 (60255601)
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Keywords | 語意学習 / 認知発達 / 言語発達 / 動詞学習 |
Research Abstract |
乳幼児において言語の獲得は目をみはる速度で非常に効率良く行われる。このような効率のよい学習は子どもが語意推論のためのバイアスを持っており、これを用いて探索スペースを制約しているためであると考えられていた。しかし、従来のこの分野での研究はほとんど環境からすでに切り離された事物につけられたラベルの語意推論を問題にしてきたところに限界があった。本研究ではこの問題にさらに踏み込み、乳幼児が日常生活の自然な状況で日夜遭遇する問題--つまりどのように切れ目のない連続的な行為を分節しているのか、どのような手がかりをつかって文の中から名詞、動詞、形容詞などのことばの品詞を同定しているのか、それぞれの品詞のことばをイベントのどの部分に対応させ、どのように他の状況にそのことばを汎化していくかという問題--を彼等がどのようにして解決しているかについてのメカニズムを、総合的、大局的に明らかにすることを目的とする。 本年度は昨年度から始めたモーションイベントの中に存在する「動きの軌跡」「動きの様態」のどちらの意味要素に乳幼児が注目し、動詞語意のカテゴリーを形成するかという問題をとりあげ、生後18-32ヶ月児と3-5歳児を対象にデータ収集を行った。具体的には乳児に動作主のキャラクターが特定の様態で特定の軌跡を動いているアニメーションを見せ、新奇動詞を導入する。その後、テスト時に様態が同じで動きの軌跡が異なるイベントと様態が異なり同じ軌跡で動くイベントを同時に提示し、子どもの動詞語意に関するメタ知識がどのように発達するかを検討する。生後18-32ヶ月群は選好注視法を、3歳-5歳群ではMatch-to-sample選択法を用いた。現在、3-5歳群のデータ収集は終了し、18-32ヶ月群もほぼ完了している状態である。17年度はデータ分析を進めるとともに、動詞の文法的形態、項構造がイベントと動詞語意の対応づけにどのように影響を与えるかを調べる予定である。
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