生存時間情報の統計的診断過程の研究

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15300091
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 白旗 慎吾 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (10037294)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 杉本 知之 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (70324829) ; 坂本 亘 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70304029) ; 後藤 昌司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (00273615) ; 越智 義道 大分大学, 工学部, 助教授 (60185618) ; 大瀧 慈 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20110463)
• Keywords: 生存時間 / ベキ変換 / Wavelet / スプライン関数 / 統計グラフィックス / ノンパラメトリックス / データ適応型解析 / 経時測定データ

Research Abstract

本研究の目的は、生存時間に関する情報解析、それに関連した医学統計学の研究およびその応用研究である。生存時間とは、何か事件(event)が起こるまでの時間を意味し、教育学、心理学、品質管理、テスト理論等に広い関連分野・周辺分野を持っている。生存時間分布を考える場では、その多くは人間を対象とするためにデータに大きなばらつきがある。そのために標準的なパラメトリック手法の適用が困難であり、ノンパラメトリック法・ロバストな手法が重要な役割を果たす。また、生存時間データの分布の多くは歪んでいるが、適当な関数変換を施すことにより、豊富な従来手法の適用が可能となることがある。これらに関連した手法は多くコンピュータ志向型であり、コンピュータ・シミュレーションおよび統計的グラフィックスの研究も重要である。
代表者・分担者は研究協力者と共同して、Waveletによるデータの近似関数の構成の際の基底関数がAICを用いてうまく選択できること、Regression Depthによるロバストで効率の高い回帰分析の性能の研究、コンピュータ・シミュレーションによる実験計画法の構成法のアルゴリズム開発、回帰分析において説明変数・目的変数両方のべキ変換によってデータの線形化・正規化・分散安定化を図るときの性能評価と目的による変換の違いの解明、ベキ変換のカテゴリカルデータへの適用、スプライン関数による平滑化等で成果を得た。
なお、本科研費により2004年2月12,13日に「医療における標準化の功罪:その統計的視点」をテーマに「大分統計談話会」の場を借り、大分市で多くの研究協力者の参加を得て研究集会を行った。研究集会では生物学的同等性、統計的グラフィックスによるデータ解析、医療の質の評価法、医薬品の市販後調査など生存時間情報解析・医学統計学と情報科学に関連した18の講演があり、活発な議論が行われた。

Research Products

• [Publications] 白旗慎吾: "AICによるWavelet基底関数の選択"応用統計学. (掲載予定). (2004)
• [Publications] 後藤昌司: "統計科学における事例の解剖"応用統計学. (掲載予定). (2004)
• [Publications] 越智義道: "超過・過小変動を含むカテゴリカルデータにおける共変量効果の評価"計算機統計学. (掲載予定). (2004)
• [Publications] 後藤昌司: "ノンパラメトリック変換の諸型と診断"応用統計学. (掲載予定). (2004)
• [Publications] 坂本 亘: "ベキ重み付き平滑化スプラインによる分散均一性の診断"応用統計学. (掲載予定). (2004)
• [Publications] Goto, M: "Double power transformation models to additivity and homoscedasticity in regression"Computational Statistics and Data Analysis. (to appear). (2004)