2005 Fiscal Year Annual Research Report
点過程データに対する汎用で強力な解析手法の開発とモデルライブラリーの構築
Project/Area Number |
15300095
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柴田 里程 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60089828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 邦夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60110946)
神保 雅一 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50103049)
加藤 剛 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (40267399)
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Keywords | 点過程 / 隠れ点過程 / 時系列 |
Research Abstract |
過去2年間の研究成果にもとづき,次の課題を中心に継続的に研究を行った. 1.ミミズの神経細胞の膜電位データの解析とモデル化 岡研究室で0.05ms単位で40sに渡って観測された一つの神経細胞の膜電位時系列は多数の発火クラスターをなしている.これをモデル化するにはタイムスケールごとに別のモデルを構築する必要があり,数ミリセカンドのスケールでは,有名なモデルであるHodgkin-Huxleyモデルのパラメータが発火のピークで変化すると仮定することでモデル化でき,発火開始時点に関してはクラスターごとに,ガンマ関数でモデル化した強度関数をもつ点過程モデルで十分よく表現できることがわかった.さらに,クラスターごとに基準電位の緩やかな変化(トレンド)を考える必要があり,このトレンドは,強度関数の変化に対して遅れをもっているので,この間の関係についてさらに研究をすすめている. 2.ポアッソン点過程のパラメータ推定 生起時間に下限があり,その下限からの増分を考えればポアッソン点過程でモデル化できることが多い.このようなときは,待ち時間で考えれば,一定時間シフトした指数分布を基に尤度を考えることになるが,このシフトを単なる連続なパラメータとみなして,最尤解を求めようとしてもうまく求まらないことが多い,これは,このパラメータに関する尤度の変化が極めて微妙であるからである.このような場合,このパラメータを離散化することで,各離散値に対する最尤解を求め,それらを比較する方法で満足な解が得られることを発見した.すでにソフトウエアとして実装したが,その真の原因とよりよい解決策については研究を継続中である.
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Research Products
(5 results)