2006 Fiscal Year Annual Research Report
点過程データに対する汎用で強力な解析手法の開発とモデルライブラリーの構築
Project/Area Number |
15300095
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柴田 里程 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60089828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 邦夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60110946)
神保 雅一 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (50103049)
加藤 剛 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (40267399)
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Keywords | 点過程 / モデル化 / データ / Textile Plot / Multiplicative Correlation / 隠れマルコフモデル / ニューラルネットワーク / 最尤解探索 |
Research Abstract |
これまで3年間の研究成果を統合することによって、点過程データに対する汎用な解析手法を確立し、モデル化への道筋を明らかにした。その汎用な解析手法の一つがTextile Plotであり、多次元の値をとる点過程データに関してもこのTextile Plotにより、その確率的な挙動、特に強度の変化と値の変化の関係を的確に把握することができることが明らかとなった。本年度は特にこのTextile Plotの理論的な裏付けとソフトウエアの開発を精力的に行ったことにより、マーク付き点過程モデル構築の基盤はより確固なものとなった。そこで、前年度まで研究対象としてきた、TOPIXをはじめとするマーケットインデックス、為替レート、地震の位置やマグニチュード、神経細胞の膜電位の変化など具体的なデータをもう一度このTextile Plotを通じて見直すことにより、あらたなモデル化の方向性があきらかとなり、さらに研究を進めることができた。隠れマルコフ点過程モデル、隠れ準マルコフ点過程モデル、クラスタリングのある点過程、確率的ニューロネットワークによる点過程モデルなどがその例である。また、点過程データのもつ限られた情報を有効に活用して安定したモデルの同定に至るためには、効率的な最尤解探索アルゴリズムが必須となるが、パラメータの離散化によりそれを達成するアイディアの実装にも取り組み、ある程度の成果を得ることができた。さらに、理論面では、多変量点過程の基礎となるMultiplicative Correlationの特徴づけに取り組み、さまざまな興味深い結果を得ることができた。
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