2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ROSE John Anthony 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (00345125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 健作 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50240685)
陶山 明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90163063)
萩谷 昌己 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30156252)
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Keywords | Statistical Thermodynamics / Helix-Coil Transition / DNA Melting / DNA-based Computing / Tag-Antitag System / Whiplash PCR / PNA-mediated Whiplash PCR / Hybridization Error |
Research Abstract |
研究計画の第1年目は、リンカーにより固定したWhiplash PCR反応系で入出力および演算を実行する際に起こるハイブリダイゼーションのエラーを予測するため、平衡モデルを組み合わせたモデル化の開発・実行に重点を置いて研究を行った。明瞭な解析のため、個々のDNAストランドがヘアピン構造もしくは入力一本鎖DNA分子とのハイブリダイゼーションを形成する単純な反応系(Tag-Antitag (TAT))を採用した。従来のモデルでは、単独状態でのエラー型二本鎖構造の融解温度(Tm)のみを考慮したより単純なモデルを用いて予測していたため、DNA分子のエラー時のふるまいが非現実的な予測と一致しないという深刻な欠点があった。この不一致を解決するため、任意の濃度での一種の入力に対する応答としてTAT系のエラーをモデル化した(従来は低濃度の入力に対してのみモデル化)。得られたモデルは、二本鎖形成に関する2状態モデルと統計的なジッパリングモデルの両者を用いて、それぞれソフトウェアMathematicaおよびRose研で開発したNucleicParkにより実行した。モデルの正当性の検証は、予測した単純な(単独状態の)解離時におけるDNA分子のふるまいと、文献から得た実験的に観測された分子のふるまいを比較して行った。モデルによる総合的な予測の結果、ハイブリダイゼーション時のエラーに関する既存の2つの描像のあいだをよく統合することが示された。低濃度の入力については既存の組み合わせモデルとよく一致し、過剰量の入力については正しいもしくはエラー分子種の間でのTmの最小エラーを予測し、ほぼ等量の入力についてはこの2つの異なるふるまいの間で鮮明な遷移が起こることを予測した。逆問題への応用(WPCR系およびDNAチップでのエラーを低減するDNA符号化のデザイン)は、モデル予測を遺伝的アルゴリズムと組み合わせてNucleicParkにより実行して達成した。(1)実験的なモデルの検証、(2)高信頼度でのWPCR反応の実行の両者に有効な符号語セットの開発を進めている。モデルに関する予備的な報告を[2][3]に発表した。一部の結果は[4]に掲載予定である。総合的な報告はDNAチップのエラー解析としてBioinformatics誌へ投稿準備中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] J.A.Rose, M.Takano, M.Hagiya, A.Suyama: "A DNA Computing-based Genetic Program for In Vitro Protein Evolution via Constrained Pseudo-module Shuffling"Genetic Programming and Evolvable Machines. Vol 4, No.2(June). 139-152 (2003)
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[Publications] J.A.Rose, M.Hagiya, A.Suyama: "The Fidelity of the Tag-Antitag System 2 : Reconciliation with the Stringency Picture"Proceedings, 2003 Int'l Congress on Evolutionary Computation (CEC'03) Dec.8-12 ; IEEE Press (2003). Vol.4. 2740-2747 (2003)
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[Publications] J.A.Rose, A.Suyama: "DNA解析学入門 バイオインフォマティクス概論 (高木利久編)"羊土社. (2004)
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[Publications] J.A.Rose, A.Suyama: "Equilibrium Modeling of Oligonucleotide Hybridization and Error for DNA-based Computers"Special Issue, Natural Computing (2004). (Invited to appear). (2004)
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[Publications] 陶山明: "自律的に動作するin vivo DNAコンピュータ"細胞工学. 23(2). 241-246 (2004)
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[Publications] 陶山明: "薄膜・表面物理セミナー「有機分子ナノテクノロジー」"応用物理学会(2003). AP032326. 53-58 (2003)