2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウス嗅球の新生介在神経細胞による神経回路形成の分子機構の解析
Project/Area Number |
15300104
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 正洋 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60313102)
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Keywords | 嗅球 / 顆粒細胞 / 神経新生 / nestin / GFP |
Research Abstract |
研究代表者が樹立したNestin-GFPマウス嗅球には2種類のGFP陽性神経細胞が存在する。GFP発現の弱いType W細胞は、嗅球内を移動中の未分化顆粒細胞である。GFP発現の強いtype S細胞は、既知の顆粒細胞とは異なる形態をもつ顆粒細胞である。 1.既存の神経回路に新生神経細胞が組み込まれる機構の解析 マウスへの匂い刺激を調節し、顆粒細胞が生まれてから特定の時期の匂い刺激がその細胞の生死を左右すること、つまり新生顆粒細胞の匂い入力依存的な生死決定には臨界期(critical period)があることを示した(PNAS, 2005)。 新生神経細胞の組み込みの分子機構を探るためin vitro系を作成した。マウス嗅球の分散培養で神経回路を形成した後、そこに新しくNestin-GFPマウスの嗅球から分離した神経細胞を加えて共培養すると、その未分化細胞(Type W細胞)は既存の神経回路に組み込まれた。薬剤で神経細胞の活動性を抑制すると、未分化細胞の細胞死が促進した。以上、既存の神経回路に未分化細胞が組み込まれるin vitro系を確立し、その組み込みに神経活動が重要であることを示した。 2.type S細胞の解析 前年度に、蛍光色素の細胞注入法を用いて、type S細胞の樹状突起が嗅球の投射ニューロンである僧帽細胞の細胞体に接着していることを見出した。今年度は電子顕微鏡による解析を行い、その接着部位がシナプスを形成しており、しかも僧帽細胞からtype S細胞に向かう興奮性のシナプスと、type S細胞から僧帽細胞に向かう抑制性のシナプスが並存する、双方向性(reciprocal)シナプスであることを示した。発現分子の解析とあわせ、type S細胞は僧帽細胞の細胞体に双方向性シナプスを形成する、新規の成熟したGABA性抑制性顆粒細胞であると結論できた(投稿準備中)。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Nestin-positive cells in adult pancreas express amylase and endocrine precursor cells.2005
Author(s)
Ueno H, Yamada Y, Watanabe R, Mukai E, Hosokawa M, Takahashi A, Hamasaki A, Fujiwara H, Toyokuni S, Yamaguchi M, Takeda J, Seino Y
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Journal Title
Pancreas 31
Pages: 126-131