2004 Fiscal Year Annual Research Report
疼痛情報に伴う一次感覚ニューロン内でのシグナル伝達機構
Project/Area Number |
15300116
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
野口 光一 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (10212127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戴 毅 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20330441)
西崎 知之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00221474)
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Keywords | ERK / p38 / MAPK / 一次知覚ニューロン / ニューロパチックペイン / 侵害刺激 |
Research Abstract |
本研究計画の目的は,一次感覚ニューロンにおけるERKシグナル伝達の解明と機能的意義を解明する事である.リン酸化ERKは正常ではニューロンではほとんど発現していないが、ラット足底にCapsaicin注射2分後に、多数のDRGの小型細胞でERKのリン酸化反応が観察される。この全く新しいシグナルのキナーゼ経路を解明することが一つの目的である。もう一点は,ERKリン酸化を用いてTRPファミリー分子やATP受容体の一次感覚ニューロンにおけるin vivo機能解析を遂行することである.そして末梢からの種々の(熱、冷、機械的、化学的)侵害刺激に対するERKのリン酸化反応が、どのような疼痛関連分子を持つニューロンで生じるかを決定する。 (1)今年度の研究により,従来報告してきたERK以外に,MAPKの一つであるp38のリン酸化が,疼痛伝達に関わる一次知覚ニューロンの細胞体で,非常に早い時間経過で生じることを発見した.本研究は雑誌Painに発表した. (2)ニューロパチックペインモデルにおけるMAPKの動態に関して詳細に検討した.モデルとしては.CCIモデルとChung modelの代表的モデル2種類を用いて,ERK及びp38のリン酸化反応をDRGニューロンにおいて免疫組織化学法で調べた.その結果,ERKとp38は,異なる細胞群で,つまり神経損傷を受けたニューロン群もしくは神経損傷を免れたニューロン群でそれぞれ発現することが明らかとなった.これらの実験結果は,2つの雑誌Journal of Neuroscience及びPainで発表した. (3)ERKリン酸化を用いたTRPファミリー分子やATP受容体の一次感覚ニューロンにおけるin vivo機能解析を精力的に実験遂行中である.特に冷刺激に関する受容体と言われているTRPA1及びTRPM8に関して,上記の方法論を用いて検討を続けている.
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Research Products
(6 results)