2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田邊 勉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70183069)
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Keywords | 脊髄小脳失調症6型 / P型Caチャネル / プルキンエ細胞 / Ca電流 / ポリグルタミン病 / SCA6 / FHM / EA2 |
Research Abstract |
SCA6においては、原因遺伝子がCaチャネルであるということから、もし疾患の原因がCaチャネル活性の上昇/低下にある場合、発現量を生理的レベルに保つことができない通常のトランスジェニックマウスではモデルとなりえない。そこでP/Q型チャネル遺伝子座のnativeプロモーターの下流にヒト疾患Caチャネル遺伝子をシングルコピー導入したノックインマウスを作製した。一方、本チャネル遺伝子内の他の部位の変異に起因する、SCA6同様難治性疾患であるEA2およびFHMに関しても同様の手法でモデルマウスの作製を試み両方ともに完成した。そして今年度はまずSCA6マウスに関して解析を進めた。まず疾患変異を有するヒトP型Caチャネル(ポリグルタミン28リピート)を導入したマウス(第一世代)における疾患チャネルの発現部位特異性は内在性チャネルと同じであったが発現量が内在性のものに比べて著しく低いことが明らかとなった。現在、このSCA6モデルマウス(SCA6変異に関してヘテロのマウス)の行動学的解析を経時的に行っているが、これまでのところ(生後1年を過ぎ)異常は見出されていない。しかしながらSCA6変異に関してホモのマウスの小脳スライスの生理学的解析から特異的異常が見出された。一方、チャネル発現量改善を目標にFLPリコンビナーゼを用いて導入チャネルコンストラクトのベクター配列を除去した第二世代のSCA6モデルマウスの作製に着手し、これに成功した。このマウス(第二世代)においてはベクター配列の除去により変異導入Caチャネル発現量の著しい改善(約10倍増)が認められたので現在種々解析を再スタートさせたところである。疾患チャネルの電気生理学的特性の解析に関してもホモマウスプルキンエ細胞のCa電流の検討をスタートさせた。一方EA2においても現在第二世代のマウスの作製を急いでおり、来年度はこれらの解析もスターとさせたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Takei, T., Saegusa, H., Zong, S., Murakoshi, T., Makita, K., Tanabe, T.: "Anesthetic Sensitivities to Propofol and Halothane in Mice Lacking the R-type (Ca_v2.3)Ca^<2+> Channel."Anesthesia and Analgesia. 97. 96-103 (2003)
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[Publications] Takei, T., Saegusa, H., Zong, S., Murakoshi, T., Makita, K., Tanabe, T.: "Increased sensitivity to halothane but decreased sensitivity to propofol in mice lacking the N-type Ca^<2+> channel."Neuroscience Letters. 350. 41-45 (2003)
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[Publications] Yokoyama, K., Kurihara, T., Makita, K., Tanabe, T.: "Plastic Change of N-type Ca Channel Expression after Preconditioning is Responsible for Prostaglandin E_2-induced Long-lasting Allodynia."Anesthesiology. 99. 1364-1370 (2003)
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[Publications] Kurihara, T., Nonaka, T., Tanabe, T.: "Acetic acid-conditioning stimulus induces long-lasting antinociception of somatic inflammatory pain."Pharmacol.Biochem.Behavior. 74. 841-849 (2003)