2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経冠由来細胞分化に関係する2種類のNELLタンパク質のシグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
15300126
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒田 俊一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (60263406)
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Keywords | 骨形成 / 神経誘導 / 結晶解析 / 神経冠細胞 / トロンボスポンジン |
Research Abstract |
1999年に我々が報告した2種類のNELLタンパク質(NELL1,NELL2)は、EGF様配列6個及びv WF-C様配列5個を併せ持つ約140kDaモノマーが3量体形成した約420kDaの分泌性タンパク質である。N末端側半分はトロンボスポンジン1と類似しているが、同じドメイン構造を有するタンパク質は他になく、新しいタンパク質ファミリーに属する。今までの研究から、NELL1タンパク質は骨形成因子、NELL2タンパク質は神経生存因子であることが判明した。しかし、NELLタンパク質の様に両活性を併せ持つタンパク質は他に存在しないことから、NELLタンパク質には特異的な受容体もしくは結合タンパク質が存在し、新しいシグナルカスケードに含まれていると考えられた。本研究では(1)新規なタンパク質ファミリーであるNELL1及び2タンパク質の結晶化を行い、X線立体構造解析を行うために、完全長と一番相同性が低いN末側半分を昆虫細胞を用いた安定発現細胞を樹立し、無血清浮遊培養により目的タンパク質を大量に得て、現在、ハンギングドロップ法により結晶化条件の検討を行っている。(2)既にNELL1及び2の標的細胞が明らかであるので、内在性NELL結合タンパク質(含受呑体)を同定するために、上述の精製NELLタンパク質を標識して、発現クローニング法により目的タンパク質のスクリーニングを行っている。現在、候補株が複数単離されてきている。次年度は引き続き、結晶構造解析並びに受容体スクリーニングを完成させるべく、研究を積極的に推進する予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kishishita, S.: "Role of Copper Ion in Bacterial Copper Amine Oxidase : Spectroscopic and Crystallographic Studies of Metal-substituted Enzymes"J.Am.Chem.Soc.. 125. 1041-1055 (2003)
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[Publications] Maeno-Hikichi Y.: "A PKCε-ENH-channel Complex Modulates N-type Ca^<2+> channels"Nature Neuroscience. 6. 468-475 (2003)
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[Publications] Yamada, T: "Nanoparticles for the Delivery of Genes and Drugs to Human Hepatocytes"Nature Biotechnology. 21. 885-890 (2003)
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[Publications] Miyoshi, K.: "Disrupted-in-Schizophrenia 1, a Candidate Gene for Schizophrenia, Participates in Axonal Outgrowth"Mol.Psychiatry. 8. 685-694 (2003)
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[Publications] Zhang, X.: "Overexpression of Nell-1, a Craniosynostosis Associated Gene, Induces Apoptosis in Osteoblasts during Craniofacial Development"J.Bone Mineral Res.. 18. 2126-2134 (2003)
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[Publications] Aihara, K.: "A Neuron-specific EGF Family Protein, NELL2, Promotes Survival of Neurons through Mitogen-activated Protein Kinases"Brain Res.Mol.Brain Res.. 116. 86-93 (2003)
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[Publications] 黒田俊一(分担執筆): "ナノバイオテクノロジーの最新技術"CMC出版. 23 (2003)